研究分担者 |
江口 貴文 徳島大学, 歯学部, 助手 (90263847)
マーリック ウオーテック・ダニエル 徳島大学, 歯学部, 助手 (00335803)
石田 甫 徳島大学, 歯学部, 助教授 (70028364)
今井 康夫 徳島大学, 歯学部, 助手 (30271068)
TOMASZ S. M 徳島大学, 歯学部, 助手 (00294702)
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研究概要 |
高齢者の唾液分泌不足を治療する方法を、唾液腺に特異的なAQP5の管腔膜での増量を促進させる薬物を検索することから行った。 1.8、52、104週齢ラットの耳下腺管腔膜におけるAQP5はacethycholine(ACh)やepinephrine(Epi)で増量するが、AChによる増量は104週齢ラットでは8週齢ラットの約半分であった。Epiによる増量は8週齢ラットでも104週齢ラットでも差が認められなかった。 2.各種の薬物を用いてAQP5の管腔膜での増量を促進させる薬物を検索した結果cis-2-methylspiro-(1,3-oxathiolane-5,3')-quinuclidineが最も有効であり、30分後における管腔膜でのAQP5の増量は8週齢ラットと大差なかった。従来より唾液促進剤としてよく使われているpilocarpineより持続性があり、よい効果が発揮された。 3.cis-2-methylspiro-(1,3-oxathiolane-5,3')-quinuclidineによる[Ca^<2+>]iの上昇は104週令ラットにおいても持続的であった。 以上のことから、老齢ラットにおいて、交感神経刺激による管腔膜でのAQP5増量は'young adultラットと差が認められなかったが、副交感神経刺激による管腔膜でのAQP5増量はyoung adultラットの約半分であった。管腔膜におけるAQP5の持続的な保持にはcis-2-methylspiro-(1,3-oxathiolane-5,3')-quinuclidineが老齢ラットにおいても有効であり、高齢者の唾液分泌不足を治療する方法としてcis-2-methylspiro-(1,3-oxathiolane-5,3')-quinuclidineが有用であることが示唆された。
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