研究課題/領域番号 |
11557138
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
加藤 有三 長崎大学, 歯学部, 教授 (20014128)
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研究分担者 |
柴田 光枝 長崎大学, 歯学部, 助手 (20274665)
粟屋 昭 三井製薬工業, 製品計画部, 主席部員
坂井 英昭 長崎大学, 歯学部, 助教授 (40225769)
坂井 詠子 長崎大学, 歯学部, 教務職員 (10176612)
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キーワード | 破骨細胞 / ODF / プロセッシング / OPG / メタロプロテアーゼ / ADAM |
研究概要 |
破骨細胞形成に必須の因子であるODF(Osteoclast Differentiation Factor,破骨細胞分化因子)はTNFファミリータンパク質に属する膜結合タンパク質であり、遊離型の存在が知られている。しかし、その切り出し(プロセッシング)に関わる酵素は同定されていない。本研究はその酵素の同定を最終目的としている。本年度は破骨細胞形成支持能のあるST2細胞において、遊離型ODFの産生を確認し、膜結合型分子からのプロセッシング様式の検討を行った。ST2細胞は通常ODFを産生していないが、dexamethasone処理を行うことにより時間依存的にODFの産生が認められ、48時間後には多量の膜結合型ODF(分子量約40kDa)の発現を認めた。一方、培養液中には分子量約30kDaの遊離型ODFの存在が認められた。その存在量は膜結合型の約1/10以下であった。遊離型ODFの同定は、ODFのおとり受容体であるosteoprotegerinを固相化したresinでODFを沈降させWestern blottingで検出するLRP(ligand-receptor precipitation)法によって行った。このLRP法をスケールアップして行い、ST2培養上清より大量に遊離型ODFを調整しそのN-末端のアミノ酸シークエンスを行った。その結果、膜結合型からの切断点はArg(138)-Phe(139)であることが判明した。この切断はメタロプロテアーゼ阻害剤であるKB8301で完全に抑制された。切断酵素としては、ADAMファミリータンパク質ともよばれるメタロプロテアーゼ・ディスインテグリンファミリータンパク質が最大の候補である。現在15種類知られている分子種のうち、ST2細胞では少なくともTACE(ADAM17)とKuzbanian(ADAM10)のmRNAが発現していることがRT-PCRで確認された。
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