研究課題/領域番号 |
11557141
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研究機関 | 東京歯科大学 |
研究代表者 |
奥田 克爾 東京歯科大学, 歯学部, 教授 (40085741)
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研究分担者 |
山中 あゆみ 東京歯科大学, 歯学部, 助手 (40231667)
石原 和幸 東京歯科大学, 歯学部, 講師 (00212910)
加藤 哲男 東京歯科大学, 歯学部, 助教授 (00159253)
君塚 隆太 東京歯科大学, 歯学部, 助手 (90287178)
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キーワード | 老人性 / 誤嚥性肺炎 / 肺炎球菌 / インフルエンザ菌 / 口腔清掃 / 歯周病原菌 / バイオフィルム / 肺炎実験モデル |
研究概要 |
唾液に混入する口腔・咽頭細菌は、高齢者に見られる誤嚥性肺炎の原因菌である。私たちは、高齢者に肺炎起炎性微生物がどの程度検出されるか、特別養護老人ホームの入居者の口腔内材料で調べた。肺炎球菌は常在菌と思えるほど効率に検出された。インフルエンザ菌も60%以上に検出された。MRSAを含むブドウ球菌の検出率も高かった。また、緑膿菌およびCandida albicansも30%近くの高齢者の口腔内から検出された。歯科衛生士による口腔清掃を中心とした専門的口腔ケアについても、多角的に評価した。週一回の専門的口腔ケアは、肺炎の死亡率の低下、発熱回数の減少および口臭の低下を有意にもたらす効果があった。また、上述の微生物の菌数を、有意に減少させる効果のあることを明らかにした。 また、歯周病原性Porphyromonas gingivalis,Treponema denticolaを単独、あるいは混合して、数回の出産を経たメスのマウスの気管支内に接種し、その肺炎誘発性などについて検討した。本実験マウス肺洗浄液中の生菌数は、経日的に減少すること、IL-1,TNFα,IL-8様サイトカインKCなどが洗浄液中に検出された。これらの炎症性サイトカイン産生量は、P.gingivalisとT.denticola混合菌液の場合に多く、長期間にわたる傾向が見られた。常在菌による肺炎モデルの開発は容易ではない。そのため、歯周病原菌が肺炎を発症させるという知見を十分に示すことができないものの、炎症性サイトカインの産生は、グラム陰性菌による混合感染によって活発に起こることを示すことができた。
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