研究分担者 |
誉田 栄一 東京医科歯科大学, 歯学部・附属病院, 助手 (30192321)
関田 俊明 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (90236092)
水口 俊介 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (30219688)
加藤 二久 東京都立保健科学大学, 放射線学科, 助教授 (70095107)
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研究概要 |
骨ミネラル量の定期的な診査は,骨粗鬆症でのスクリーニングやインプラント治療の予後を調べるのに必要である。この際,QCTなどの専用機器を用いる必要があり,簡便な方法では実現が難しいとされている。そこで今回の研究では全顎を一度に撮影できるオルソパントモグラフィ撮影装置を用いて得られたX線画像から骨ミネラル量の経時的変化をとらえる測定法の可能性を調べた。 測定精度検証に用いる参照用楔と被験体楔に骨ミネラル密度が既知である骨ファントム,像拡大率検証用に鉛製指標を用い,撮影装置にX500CR(モリタ社製),画像読みとりシステムにDenoptix digital imaging system(Dentsply社製)を使用した。撮影は管電圧60kV,管電流10mAsの条件の下,参照用楔を下顎骨領域の左側に配置し,被験体楔の位置を断層軌道上の小臼歯相当部,大臼歯相当部と変化させながら行い,測定精度とX線像拡大率の検証を行った。 被験体の頬舌的な位置を固定して,近遠心的な位置を小臼歯相当部,大臼歯相当部と変化させたとき,測定値は大臼歯相当部に配置するほうが有意に大きい測定値を得た(P<0.05)。またいずれの場所においても測定値は全領域で実際の値よりも小さくなった(P<0.05)。X線像拡大率は,小臼歯相当部で縦134%,横143%,大臼歯相当部で縦135%,横143%であり,横方向の拡大率にのみ有意差がみられた(P<0.05)。 今後,断層軌道の近傍で被写体の位置が変化する場合の,より詳細なX線像拡大率を調査し,さらにコントラストをあげて微細な変化を経時的にとらえることが可能なシステムに発展させる予定である。
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