研究分担者 |
安部倉 仁 広島大学, 歯学部, 助手 (30159454)
村田 比呂司 広島大学, 歯学部, 助手 (40229993)
浜田 泰三 広島大学, 歯学部, 教授 (50034244)
石井 敏也 広島大学, 歯学部, 助手 (70294569)
中居 伸行 広島大学, 歯学部, 助手 (90284215)
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研究概要 |
高齢社会への対応が急務であることは,マスコミなどでもよく論議されている。歯科でもその対応が望まれるが,その一つは高品質の義歯であろう。多数歯が欠損している場合,価格,作製の簡便さ,現在まで使用されてきた実績などにより,可撤性義歯を選択することが多い。さらに,義歯の取り扱い(メインテナンスも含めた)が,義歯装着の予後に大きな影響を及ぼすことは疑いの余地はない。義歯の取り扱いには,義歯装着者の精神的要素が大きく関与する。そこで,某単科精神病院で入院患者の義歯装着者において,その義歯の取り扱いについてアンケート調査を行った。入院しているため,彼らの生活環境などを客観的に把握することが可能といえる。この調査では,入院患者の義歯装着者は健常な義歯装着者に比べると,義歯清掃,就寝時の義歯の取り外しなどは少ない傾向であった。しかしながら,指導により義歯清掃や夜間の義歯の取り外しも行うことができるということが明らかとなった。精神病薬が口腔内の清掃などに影響を及ぼしていることも推察された。 デルタンCADIMを用いて,顎堤模型の三次元的データを取り込むことを試みた。その結果,接触プローブを顎堤模型の前後軸に対して垂直的に反復して,三次元データを取り込むことは可能になった。これらを用いれば,学生教育などにも,義歯の形態を視覚的に訴えることは可能であろう。 さらに,高齢社会となれば,痴呆が大きな問題となる。痴呆患者の口腔内ケアもこれから取り組まねばならない大きな問題である。痴呆病棟入院患者の口腔内状況,義歯装着状況なども調査している。現在データ解析中であるが,高齢社会に伴い,痴呆はさけてとおれない問題である。身体,口腔内との関連が明らかになれば,社会への貢献は大きいと考える。
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