研究計画どおり、in vitroにおける、発現効率の検討、in vivoへの展開のための、ヌードマウスへの移植細胞株の選択をおこなっていった。 いくつかの予備実験で、アデノウイルスベクターを使った場合、腫瘍細胞と正常細胞それぞれに特異的なプロモーターは、今のところ選別されていない。ただし、昨年、米国において、アデノウイルスベクターをつかった遺伝子治療の死亡例が報告されており、あらたな、ベクターでの検討も必要となり、現在、レトロウイルスなどの研究計画を再考中である。 リポフェクチン法は、優れたトランスフェクション効率がみられin vitroでは、適切な遺伝子導入法と考えられるが、ラット、マウスなどでは、代謝されてしまうため、in vivoへ適用外と判断した。 ヌードマウスに、口腔癌細胞株の腫瘍移植の検討を行い、生着のよい、細胞株をいくつか選別した。今後、これらの細胞株をより、新たに移植しやすい株、転移しやすい株などを樹立していく予定である。 今後、適切なプロモーター、ベクターの選別しだい、マウス腫瘍モデルに対しての応用を考えている。
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