研究概要 |
歯周炎は歯周組織局所の微生物によって惹起され進行する感染症で,グラム陰性嫌気性細菌がその主要な病原細菌と目されている.我々は,歯周病原性グラム陰性嫌気性細菌のうちPorphyromonas gingivalis,Treponema denticola,Capnocytophaga ochracea,Capnocytophaga suptigena,Prevotella intermedia,Prevotella nigrescens A.actinomycetemcomitans,Bacteroides forsythus,Campyrobacter rectus,Eikenella corrodensの16SリボゾームRNAをコードするDNAに対するプライマーを作製して,2歳から13歳までの健常な小児144名について,PCR法により歯周病原性細菌の検出を行なった.その結果,C.rectus,E.corrodens,A.actinomycetemcomitans,C.ochracea,C.suptigenaはいずれの年齢においても50%近い頻度で検出されるものの,P.gingivalis,T.denticolaはいずれの被験者からも全く検出されなかった.これらの被験者について経時的な診査を加えるとともに,若年層において歯周炎を惹起すると報告されている疾患を有する小児についても,同様の診査を行い,歯周病原性グラム陰性嫌気性細菌の検出時期などに相違がないか検討を加えている。
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