予定していたコンピューター式等設備面の充実化により、データの入力・加工・出力という一連の処理過程の流れが完成したため、研究は頭部計測作業および計測データの分析検討を中心とする段階に入った。これまでの分析結果から改めて重要性が再認識された主要な点として、3D digitizerの精度、生体計測時の頭部固定、軟組織を介した硬組織の計測という3点である。3D digitizerの精度については、これまでのようにメーカーの表示精度を全面的に信頼するするのではなく、digitizerの受入検査を日本工業規格(JIS)および国際標準化機構(ISO)の方法に則って行う必要性が判明したため、現在その検査手続き体制の設定を終了して検査に取り組んでいる。2つ目の頭部固定については、これまで被計測者に坐位をとらせていたが、検討の結果仰臥位がより安定且つ実用的であることを発見したため、後者を採用して収集データの再検討を行っている。また仰臥位時の歯科診療ユニット取り付けタイプ頭部固定装置の開発にも同時に取り組んでいる。3つ目の軟組織の問題は、本計測手法では避けることのできない点であるため、その影響による誤差をいかにミニマイズできるかという課題の下に、計測者の熟練度の向上、アームリーチのより長いタイプのdigitizer(今年度の本研究費にて購入済み)の採用などによって計測データの検討を重ねているところである。
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