研究課題/領域番号 |
11557187
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
葛巻 暹 北海道大学, 医学部, 教授 (80091445)
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研究分担者 |
篠原 信雄 北海道大学, 医学部・付属病院, 講師 (90250422)
藤田 寿一 北海道大学, 医学部, 助手 (30212187)
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キーワード | ゲルソリン / 膀胱癌 / 遺伝子治療 / アデノウイルス / ヌードマウス / β-gal |
研究概要 |
膀胱癌の初期治療時に残存した癌細胞へ癌抑制機能を持つゲルソリン遺伝子をアデノウイルスベクターに組み込み移入して完治を目指す遺伝子標的治療法を、マウスのオルソトピックモデルにおいて検討した. 1.アデノウイルスベクター(Ad-CMV)にヒト野生型ゲルソリンあるいはβ-gal cDNAを組み込み、ヒト胎児腎細胞株293へそれぞれ導入して、ゲルソリンあるいはβ-galアデノウイルスベクター(Ad-GSN 又は Ad-βGAL)を得た. 2.Ad-βGALウイルスベクターをヒト膀胱癌細胞株(UMUC-2、KU-7)2株に感染させ、各細胞株におけるゲルソリン遺伝子導入効率を検索したところ、MOI 400ではUMUC-2で83%、KU-7では95%であった. 3.Ad-GSNウイルスベクターを(UMUC-2、KU-7)2株に感染させ、各細胞株においてゲルソリンの発現が増加することをウエスタンブロット法で確認した.これらの感染株では、in vitroにおける細胞増殖が約70%抑制された. 4.KU-7をヌードマウスの膀胱内に経尿道的に移植し、1×10^9PFUのAd-GSNまたはAd-β-Galを3日間経尿道的に投与した.10日後に犠牲死させ、膀胱をホルマリン固定ののちHE染色を行い、各腫瘍の面積をNIH imageにて測定したところ、Ad-GSN投与群では、Ad-β-Gal投与群に比べ腫瘍面積が約4分の1に縮小していた. 以上のことから、ゲルソリンアデノウイルスベクターは、ヒト膀胱癌細胞株のin vitroおよびin vivoでの増殖を抑制し、膀胱癌に対する遺伝子治療に用いられる可能性が示された.
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