研究課題/領域番号 |
11557193
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
医薬分子機能学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
久保 一義 大阪大学, 薬学研究科, 助教授 (00028846)
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研究分担者 |
中川 晋作 大阪大学, 薬学研究科, 助教授 (70207728)
真弓 忠範 大阪大学, 薬学研究科, 教授 (00098485)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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キーワード | バイオコンジュゲーション / アドリアマイシン / PVP / 体内動態 / 抗腫瘍作用 / DMMAn / 徐放 / ターゲティング |
研究概要 |
本研究では、Targeting等の付加機能を導入できる修飾高分子として、その有用性を申請者らが先駆けて見出したPolyvinylpyrrolidone(PVP)を出発材料(幹高分子)として用い、徐放化能やTargeting能などを有する機能性官能基を導入したPVP誘導体を新規合成し、その体内動態及び特性を評価し、以下の結果を得た。 1.カルボキシル基やスルホ基等のアニオン性官能基を導入したPVPは、官能基の導入率に従って血中滞留性が低下したが、至適量の官能基を導入することで選択的に腎臓への集積性が高まることを見いだした。また、この腎臓での分布は、官能基の相違に関わらず近位尿細管上皮細胞に集積していることを明らかにした。 2.PVPに至適量及び至適鎖長のアルキル基やスチレン基を導入することで、血中滞留性の向上や尿中排泄抑制等の動態特性を付与できる可能性を示した。 4.ジメチル無水マレイン酸(DMMAn)等の環無水物を導入したPVPは、腎臓への集積性を有すること、pHの変化に依存してモデル薬物を放出する薬物徐放化能を有することを明らかにし、薬物挙動を空間的且つ時間的に制御し得る新規高分子になり得る可能性を提示した。 5.DMMAn導入PVPの有用性をモデル薬物としてアドリアマイシン(ADR)を用い、その抗腫瘍効果を検討した結果、nativeなADRと比較して顕著な抗腫瘍効果の増強、副作用の軽減が認められた。 以上の結果から、今後最適投与条件を見いだす必要があるものの、本コンジュゲート体の有用性が示された。
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