研究課題/領域番号 |
11557198
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
今川 正良 大阪大学, 薬学研究科, 助教授 (20136823)
|
研究分担者 |
松尾 昌季 株式会社 住友化学工業, 研究主幹
西川 淳一 大阪大学, 薬学研究科, 助手 (90218131)
西原 力 大阪大学, 薬学研究科, 教授 (50028859)
斎藤 幸一 株式会社 住友化学工業, 主任研究員
|
キーワード | 内分泌かく乱物質 / 環境評価法 / エストロゲン受容体 / コファクター / 酵母 |
研究概要 |
内分泌かく乱物質の検出方法を確立しその環境評価法を確立するため、本年度は、ホルモンレセプターを介する転写活性化のプロセスを解析し、これらのプロセスに対する内分泌かく乱物質の影響をエストロゲンレセプター(ER)を中心に調べ以下のことを明らかにした。 1)酵母細胞内でのエストロゲンレセプターとコアクチベーターの相互作用について、ERαと転写共役因子の相互作用を酵母two-hybrid法で調べた。その結果、ERαのβ-estradiol依存的な相互作用はTIF2が一番強く、次にSRC1、RIP140、TIF1の順であり、CBP、P300はほとんど相互作用しなかった。すなわち、ERαとコアクチベーターの相互作用の強さは、溶液中のエストロゲン濃度に依存しており、このアッセイ系がエストロゲン活性の定量に利用可能であると考えられた。 2)既知のエストロゲン様化合物によるアッセイ系の検証として、これまでにエストロゲン様活性を持つことが知られている化学物質について、用量依存曲線を作成した。その結果、他の方法で調べたエストロゲン様活性の強さとよく相関しており、コアクチベーター間での化学物質による応答性に大差は認められなかった。 3)ERαとERβに対する、化学物質の結合特異性の差異を調べるために、ERαとERβのリガンド結合領域をGAL4DBDに繋ぎ、コアクチベーターのTIF2との相互作用を調べるた結果、本来のリガンドであるβ-estradiolへの結合親和性は同程度であると考えられた。それに対し、植物エストロゲンや防腐剤として知られているパラベン類においては、ERαとERβで化学物質の構造によって結合特性が違うことが推察された。
|