研究概要 |
本研究では、骨代謝に関連するアミノ酸トランスポーターのいくつかを発現クローニング法にて同定し、遺伝子多型部位を同定した。また骨粗鬆症関連遺伝子(ビタミンD受容体、VDR,)において、多型を示す新しい部位を同定した。新たな多型部位は、VDR遺伝子の、腸管特異的発現を規定する領域に存在した。遺伝子解読を行い、多型を3つのタイプに分類した。さらに、岡山県立大学のチームは、本多型と骨密度との間に、有意な相関関係を見出した。この遺伝子多型の生理学的重要性を説明する目的で、転写調節領域に多型部位を挿入し、その機能を小腸培養細胞モデルであるCaCO2細胞に、トランスフェクトし、その発現調節に及ぼす影響について検討し、その重要性を明らかにした。次に、遺伝子多型の解析用DNA断片を合成した。この際、多型を示す部位が、認識されやすいように、前後に新規の配列を挿入した。新規配列プローブは増幅プライマーを考慮しデザインされ、片方の3'末端にはドナー蛍光色素を標識し、その隣接のプローブの5'末端にはアクセプター蛍光色素を標識した。しかし蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)を用いたDNAチップ型のハイブリダイゼーション法では、従来のSSPCやDNAシークエンス法に比べ、再現性に乏しく信頼度の高いデータを得るためには、アクセプター蛍光色素の改良にさらなる検討が必要と判定された。今後、FRET用いたより正確なプライマー設計を行い、本法をより感度の高いものに改良する必要がある。
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