研究課題/領域番号 |
11557203
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
応用薬理学・医療系薬学
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
遠藤 政夫 山形大学, 医学部, 教授 (40004668)
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研究分担者 |
蓬田 伸一 山形大学, 医学部, 助手 (90250802)
友池 仁暢 国立循環器病センター, 病院長 (90112333)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2001
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キーワード | 心不全モデル / アシドーシス / Caモビライザー / Caセンシタイザー / 収縮タンパクCa感受性 / Caトランジェント / Indo-1 / エクオリン |
研究概要 |
強心薬は急性心不全および慢性心不全の急性増悪期に起こる心筋収縮不全の治療に不可欠の薬物である。現在臨床的に使用されている強心薬であるジギタリス、カテコーアミン、選択的PDEIII阻害薬は、すべて心筋細胞内Ca濃度上昇によるCaトランジェントのピークの増高により、トロポニンCへの結合Ca量を増加することにより、陽性変力作用を惹起する(Caモビライザー)。これらの強心薬は共通の欠点として、細胞内Ca過剰負荷による不整脈の発現、心筋細胞障碍、心筋細胞死などの危険性とつねに背中合わせである。一方、細胞内Ca結合以降の過程で作用する強心薬であるCaセンシタイザーはこれらの欠点を持たない。今回、ウサギ容量負荷心不全モデルおよびアシドーシスにおいてこれら強心薬の効果がどのように修飾されるかを研究した。ウサギ心不全モデルから単離した心室筋細胞にindo-1を負荷して細胞短縮とCaトランジェントとの関係を分析した。Caモビライザーとしては細胞外液Ca濃度上昇、イソプロテレノール、ジヒドロウアバインなどを用い、CaセンシタイザーとしてはSCH00013、EMD57033、UD-CG212Cl、OR-1896、レボシメンダン、ピモベンダンなどを使用した。心不全モデルではCaモビライザーの強心薬としての効力が著しく減少する状況においてもCaセンシタイザーは効果的な強心作用を発揮しうることが明らかにされた。また、正常イヌから摘出した心室肉柱標本にカルシウム感受性発光蛋白エクオリンを負荷しアシドーシスの影響を調べた。アシドーシスの影響については個々のCaセンシタイザーにより強心作用の影響のされ方は著しく異なることが明確となった。
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