研究分担者 |
和田 久泰 岐阜大学, 医学部, 助手 (10283300)
斉藤 邦明 岐阜大学, 医学部・附属病院, 講師 (80262765)
湊口 信也 岐阜大学, 医学部, 助教授 (20190697)
斉藤 和典 第一化学薬品(株), 診断薬研究所, リサーチマネージャー
藤井 秀比古 岐阜大学, 医学部, 助手 (50301213)
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研究概要 |
血清中のHDLには脂質成分の乏しいいわゆるpre βHDLが存在しており、末梢組織からコレステロールを引き抜く力がαHDLに比べて大きいことが知られている。しかしこのpre βHDLは二次元電気泳動法による測定であり、時間的にも経費的にも実際的ではない。そこで分子量の大きさの違いを利用して、この脂質フリーアポA-Iの測定を試みた。まずHPLCにより分取したフラクションをELISAによりアポA-Iを測定し、その分布を確認した。次いでコレステロールおよびリン脂質も同様に測定しプロットし、これら脂質成分をほとんど含有しないアポA-Iのフラクションが脂質フリーアポA-Iに相当すると考えた。 1.限外ろ過法:血清を2,5,10倍で希釈して、分子量ポアサイズ30万の膜を用いて15,000rpm,1hr遠心したがVLDLやLDLの一部までが下層に落ちていた。そこで分子量10万の膜にて検討したところ下層にアポA-Iは検出されず、少なくとも限外ろ過法のみでは測定不可能であると考えられた。 2.沈殿法:ヘパリン・マンガンによりVLDL,LDLを沈殿させ、その上清(含HDL)を上記限外ろ過にて検討した。HDLも沈殿する条件ではフリーアポA-Iも同時に沈殿してしまい、限外ろ過にて検出できなかった。しかしHDLが上清に残る条件ではろ過液中にアポA-Iが検出され、現在その至適条件について検討中である。 3.モノクローナル抗体の作製:Fieldingらの報告に従い、pre βHDL A-Iに対するモノクローナル抗体の作製を試みているが、現在のところまだ完成していない。
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