研究課題/領域番号 |
11557207
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
病態検査学
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
篠原 幸人 東海大学, 医学部, 教授 (60051504)
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研究分担者 |
川口 文男 日立メディコ株式会社, 技術研究所, 主任研究員
立川 浩 東海大学, 医学部, 助手 (90266396)
灰田 宗孝 東海大学, 医学部, 講師 (20208408)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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キーワード | 光トポグラフ / 近赤外光 / 脳機能 / functional MRI / oxy-Hb / deoxy-Hb / total-Hb / 脳血管障害 |
研究概要 |
新しく開発された光トポグラフ装置から得られた情報の病態生理学的意味合いを明らかにするために、I.光トポグラフとfunctional-MRI(f-MRI)との同時測定を実施し、手の運動負荷時に対応する反対側および同側大脳運動領相当部でのoxy-Hb、total-Hbの増加がf-MRI信号と高い相関係数を示した。deoxy-Hbは光トポでしか変化が認められなかった。これにより、光トポグラフは空間分解能ではf-MRIに劣るがdeoxy-Hbの変化も検出出来る点で、脳の病態生理を知る上で優れていることが示された。ついで、臨床応用への基礎知見として、II.若年正常対象者(10名:平均年齢24歳)と高齢正常対象者(8名:平均年齢71歳)についての測定を行った。その結果、oxy-Hb、deoxy-Hb、total-Hbの変化は、高齢者と若年正常者間に違いが無いことが示された。III.慢性期脳血管障害患者(43名:平均年齢66歳)について測定した。脳血管障害患者の内訳は(1)脳梗塞深部白質小梗塞:6例、平均年齢67歳、(2)脳梗塞深部白質中梗塞:3例、平均年齢76歳、(3)皮質梗塞大:5例、平均年齢58歳、(4)多発脳梗塞小:14例、平均年齢67歳、(5)多発脳梗塞中:10例、平均年齢69歳、(6)内頚動脈狭窄:3例、平均年齢75歳、(7)moyamoya病:2例、平均年齢40歳である。その結果脳梗塞深部白質小梗塞例、多発脳梗塞小などの軽症例では、ヘモグロビンの変化様式は正常者と基本的には同一であった。脳梗塞深部白質中梗塞例、内頚動脈閉塞例では、運動負荷時のdeoxy-Hbの増加が認められ、潜在的脳血流障害の存在が疑われた。皮質脳梗塞の大きいものでは病巣部の血流変化が乏しいことが認められ、病巣部の推定も可能であった。moyamoya病:2例は特異なヘモグロビン変化を示したが例数が少なく、断定的な結論は出せない。今後、脳梗塞急性期に本測定を行い、その結果と予後との関連を求めたいと考えている。
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