研究概要 |
1.前年度試作開発した高齢者が適応可能と考えた受動運動機器(Passive Leg Cylcle Exercise,PLE)を高齢者へ適応できるよう、PLEの改良を行った。また前年度用いた自律神経活動の評価のための自己回帰モデルでは正確な血圧値ではなく、その変動成分のみが必要なことが判明し、この点に注目して、長時間の校正時間を必要としない新しい自律神経活動評価用測定機器を作成し、本年度は高齢者に適応可能なように、改良を行った。 2.健康な高齢者9名に対して、十分な安静時間の後、6分ずつの安静時・受動運動(PLE)時における循環動態を支配する自律神経活動を比較検討した。解析はトノメトリ方式の非侵襲的連続血圧測定から得られた心拍および血圧変動のスペクトル解析により行い、モデル次数20の自己回帰モデルを適応した。前年度実施した若年者同様、PLE期では過度な自律神経の亢進が見られず、PLEは高齢者に対して安全な運動となりうる可能性が示唆された。 3.高齢者を対象としてこれまで検討した項目は、いずれも受動運動機器(PLE)を実施したことによる短期効果であり、主として運動の安全性に関する検討である。PLEは本来高齢者を対象としたリハビリテーション機器として開発された運動機器である。従って、PLEの評価を行う場合、長期的な実施による効果を検討し、その有用性が示唆された。
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