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1999 年度 実績報告書

インスリン抵抗性症候群モデルラットの開発-速筋優位モデルラットを用いての検討

研究課題

研究課題/領域番号 11558002
研究種目

基盤研究(B)

研究機関九州大学

研究代表者

熊谷 秋三  九州大学, 健康科学センター, 助教授 (80145193)

研究分担者 桧垣 靖樹  佐賀医科大学, 医学部, 助手 (10228702)
中村 友浩  大阪工業大学, 一般教育科, 講師 (30217872)
勝田 茂  筑波大学, 体育科学系, 教授 (70038446)
キーワードFFDR / 筋線維組成 / 糖取り込み
研究概要

【目的】 体脂肪蓄積及びインスリン抵抗性発現への筋線維組成の影響がヒトを対象に報告されている。すなわち、速筋(FT)線維含有率(%FT)とインスリン感受性との間には有意な負の相関が、一方、体脂肪率との間には有意な正相関が認められている。そこで本研究では、速筋線維優位モデルラット(FFDR)を用いることで、FTラットのインスリン感受性や自発運動量が、コントロールラット(CR)に比べ低下しているか否かを検討した。
【方法】 インスリン感受性測定用として、Suwaら(Am.J.Physiol.271:R432-R436,1996)によって作成された8-9週令のFFDR(n=6)およびCR(n=8)を用いた。また、回転ケージによる自発運動量の測定には、4週令のラット(各群ともにn=7)を用い、9週令まで継続させた。インスリン感受性の測定には、euglycemic clampを用い、clamp開始60-90分に注入されたグルコース注入量(GIR)の平均値からインスリン感受性を評価した。なお、クランプ中の両群間のインスリン濃度には有意差を認めなかった。
【結果】 両群の体重、筋量、脂肪量には、有意差を認めなかった。さらに、両群のGIRには、有意差を認めなかった(FT群;4.9ml/kg/min、C群:4.6ml/kg/min)。また、FTラットの自発運動量には、9週目のみにに有意な差を認めた。すなわち、FFDRの走行距離が有意に高かった。
【考察】 これまでの研究知見とは異なり、FT優位ラットのインスリン感受性は、コントロールラットに比べ低下していないことを認めた。その背景として、9週令でのFFDRの自発運動量の有意な増加が認められたことからも明らかなように、FFDRの身体活動量低下への影響がないこと、およびFFDRのFT優位である筋線維(腓腹筋深層部やヒラメ筋)が全身のインスリン感受性に及ぼす影響が非常に小さいことがその一因と考えられた。今度の課題として、FFDRの骨格筋に関する諸特性といった基礎的検討に加え、1)FFDRの脂肪蓄積及びインスリン感受性に及ぼすagingの影響に関する検討、2)脂肪蓄積性やインスリン感受性に及ぼす高脂肪食および持久性運動の影響といった介入研究を行っていきた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 熊谷秋三 他: "インスリン抵抗性と骨格筋の組織化学的・生化学的特性との関連性"運動生理学雑誌. 6. 1-16 (1999)

  • [文献書誌] Suwa,M.,Kumagai,S.,et.al.: "Skeletal muscle phenotype,fat content and voluntary running activity in the fast-twitch fibre dominant and control rats."J.Health Sci.. 22. 59-64 (2000)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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