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1999 年度 実績報告書

「地下水人工涵養と地下水位変動」の制御システムの開発

研究課題

研究課題/領域番号 11558004
研究種目

基盤研究(B)

研究機関秋田大学

研究代表者

肥田 登  秋田大学, 教育文化学部, 教授 (70015832)

研究分担者 三宅 紀治  清水建設株式会社, 技術研究所, 主席研究員
キーワード地下水人工涵養 / 地下水堆 / 地下水位 / 地下水面 / 水理水頭 / 湧泉 / ピエゾメータ / 観測井
研究概要

平成11年度の研究実績の概要は次のとおりである。:秋田県六郷扇状地の扇央,標高62mにある浸透池を用いて,11日間に及ぶ地下水人工涵養の初期的実験に着手した。浸透池,ピエゾメータ(水圧計),観測井は,いずれも既設のものを使用した.ピエゾメータと観測井には地下水位等を測定するための新規のデータ収録器(センサー付)を設置した.次の結果を得た.
1,浸透池への給水量は,測定の結果,毎秒約100リットルであった.2,給水開始直前の地下水位は,標高57.50mであった.浸透池に隣接する観測測井において,地下水位は給水直後から上昇を始め,給水開始から172時間後に最高水位の60.66mに達した.この間の水位の上昇高は,3.16mである.3,給水を開始することによって,浸透池の下部に地下水堆が形成された.地下水堆の縁辺部は,時間の経過とともに扇端方向に突出する形で広がり,浸透池から扇端に向けて約300mの位置にあるピエゾメータにおいて水理水頭の上昇を記録した.4,給水停止後の地下水位は,浸透池に堪水していた水がゼロに達して以降,低下の速度を増した.地下水位は,浸透池に隣接する観測測井において給水停止から91時間後に3.71m低下した.この時点で浸透池の下部に形成された地下水堆は消滅し,地下水面は,給水開始前の自然の状態にもどった.5,地下水位の強化という観点から,人工涵養の効果の及ぶ範囲は,浸透池から西方の扇端方向に向けてほぼ50mの等高線の位置までであった.6,これらの結果は,今回実施した扇央の浸透池とは別の位置に設置されている浸透池において行った実験の成果(肥田ほか:六郷扇状地における池を用いた地下水人工涵養の実験.日本地下水学会誌,第41巻第1号,1999,23-33)とほぼ類似した内容としてまとめられる.
なお,本研究に関連して次の紹介がなされた.1,列島探訪:第8回 日本の水 秋田県・六郷町,National Geographic(日本版),1999年11月号,38-41.内容:六郷の地下水,湧泉についての紹介.

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 肥田 登: "水文学:21世紀は"水の世紀""AERA Mook:地理学がわかる (朝日新聞社). No.48. 32-33 (1999)

  • [文献書誌] 肥田 登ほか: "浸透池を用いた地下水人工涵養:地下水面の上昇と降下"日本地理学会発表要旨集. No.57(3月発刊). (2000)

  • [文献書誌] 三宅 紀治ほか: "未固結地盤を対象にした多層水圧測定孔と観測井の設置方法"地下水技術. 41・2. 1-11 (1999)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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