研究課題/領域番号 |
11558005
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
酒井 義郎 山口大学, 工学部, 教授 (60107729)
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研究分担者 |
山本 正幸 山口大学, 工学部, 助手 (20304496)
呉 景龍 香川大学, 工学部, 助教授 (30294648)
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キーワード | 電動車いす / 手動車いす / 省力・安全・安心 / 在宅介護 / 要素(小物)設計的視点 / 自立支援 / 総合福祉システム / 人間-社会システムインタフェイス |
研究概要 |
これまでの自宅の中の活動に限定するあるいはまた病院など公共施設内での活動に限定する形の「福祉システム」ではなく、高齢者・障碍者の生活全般に関する視点が真に有効なシステムであるという視点の必要性に次第に気づくようになった。すなわちいわば杜会(介護をする家族・ヘルパとの関係も含めて)と高齢者・障碍者との間を取り持つインタフェイスとして福祉システムが機能しなければならないと考える。また高齢者・障碍者の個人的状況はさまざまで、使えるシステムとは何かという点について検討する必要がある。さらに既存の家で暮らす高齢者がむしろ大多数で、自分たちのこれまでの生活様式の延長上に老化への対応を想定していると考えられる。こうした現状を取り込み、本人の個別の状況に合わせてできるだけ自然な形で福祉システムを構築する必要があると考える。そこで、「自立支援」、「要素設計的視点」に加え、「総合的福祉システム」、「人間-社会インタフェイス」の中の一部分としての車いすシステムのもつ「省力・(搭乗者の)安全・安心」の視点を組み込み、研究開発を行った。すなわち、車いす搭乗者の安全・安心の問題について手動車いすで介護してもらう場合、電動車いすを自分で操作する場合それぞれにおいてどのように異なるのかという点に関して搭乗者の視線移動という観点から被験者実験を行い(一般的な状況下および狭い廊下の状況下(直線・かぎ型))、安全・安心感を視覚的視点で吟味した。さらに、総合的な福祉システムについて概念的な検討を加えるとともに機械要素設計的視点(すなわち例えば手すりなど、建築的な視点で扱われるが人が手で操作して使うものとしては力学的・機械的な小物という視点が肝要)から高齢者・障碍者の五感を活かし、便利なだけのシステムでなく本来人間が持つ機能を十分発揮でき、利用者が主体的に暮らせるシステムづくりの視点から検討した。
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