研究課題
基盤研究(B)
本研究成果においては、考古学と自然科学が密接に協力する遺跡探査の手法を通じて、遺跡の情報を最大限に引き出す技術を開発しそれを実用化しようとするものである。即ち、発掘調査を行わずに、あるいは最小限の発掘調査で、遺跡の在り方を探査する技術と、遺跡の発掘調査現場において不可視の遺跡情報を探査する技術を開発・改良するものである。本グループは、電磁気・地磁気という手法を用いて研究を進める。これらは、火の使用や土木という人類の活動、あるいは地球磁場や火山活動のような自然現象と密接な関係をもっている。従って、これらの情報を研究することは、人類遺跡全般を研究する上でも重要な情報となるのである。本研究成果では、レーダ探査技術を開発することに成功したことを示した。平成11年度に実施した探査調査では、有効なデータを提供することができ、発掘調査地区を決定するのに役立った。平成12年度では、その探査成果に基づいて調査地区を設定したお蔭で十三湊遺跡で港湾施設が発見された。青森県教育委員会が実施した平成12年度第121次発掘調査では、港湾施設の一部が発見された。いままで、10年間発掘調査が行われてきたが、初めてのものである。それは、港の岸壁が崩れないようにする護岸の木材を横にして杭を打ち込んで留めるというものであった。さらに、興味深いのは、外側に数本の直径20センチ前後の杭を打ち込んで、縄を巻いた遺構が検出されたということである。護岸施設は、南北200m程度広がり、かなり大きな荷揚げ場であったことが予想される。
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