研究概要 |
1.具体的教材の収集と整理 教材・課題の分類学(タキソノミー)の検討を行うための具体的課題の収集を行った。日本の教科書に加え,米国National Center for Research on Evaluation,Standards,and Student Testing,National Assessment of Educational Progressなどの機関,New York State Educational Department等の州教育当局のWebサイトで公開されている学習者の評価用課題および評価基準を収集した。また,タキソノミーの確立に向けて,諸外国における才能教育の目標としくみを分析した。 2.生徒の科学的思考に対する認知構造・感性構造の分析 課題の科学的思考の成分を抽出するため,グラウンデッドセオリーの方法論を応用し,課題を質的に分析する「認知的課題対話法」を開発した。この方法を用いることにより,科学的概念の語用論的意味(pragmatic meaning)を同定することができる。数学教育書に掲載されている文字式の論証課題の分析を進め,文字の語用論的意味の抽出を行い,学習者の理解に関する調査を行った。その結果,語用論的意味の提示は,特に成績中位の学習者に対して有効であることが示された。 3.公立学校との共同研究体制の確立と遠隔共同研究システムの開発 地元の公立小・中学校および教育委員会と大学との間で共同研究体制を確立し,研究を推進した。この成果についてはホームページ上で公開している(http://www.vpds.naruto-uac.jp/)。数学・理科教師とともに,(1)課題分析法ならびに学習者の理解度調査,(2)数学の市内共同学習プロジェクトの推進を行った。また、インターネットを利用した遠隔共同研究システムのプロトタイプとして,Webベースデータベースシステムを開発した。
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