再構成格子結合型マルチプロセッサ用自律再構成ネットワークの試作構築

1999 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 11558032
• 研究種目: 基盤研究(B)
• 研究機関: 北陸先端科学技術大学院大学
• 研究代表者: 堀口 進 北陸先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 教授 (60143012)
• 研究分担者: 林 亮子 北陸先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 助手 (30303332) ; 山森 一人 北陸先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 助手 (50293395) ; 小林 広明 東北大学, 大学院・情報科学研究科, 助教授 (40205480) ; 井口 寧 北陸先端科学技術大学院大学, 情報科学センター, 助手 (90293406)
• キーワード: VLSI・ULSI技術 / VLSI再構成技術 / 超並列・超分散コンピュータ / 自律再構成ネットワーク / シフト・バイパス自律再構成

研究概要

膨大なプロセッサを結合する相互結合網は、プロセッサ故障を考慮に入れ、ネットワークを再構成するメカニズムが必用である。実用的には、大規模プロセッサの故障箇所の局所情報のみを用いた自律・分散・協調メカニズムにより再構成されなければならない。本研究代表者等は、冗長結合とスィッチからなる自律再構成可能な格子結合型マルチプロセッサと新しい自律再構成アルゴリズムを提案した。この自律再構成法は、局所情報のみを利用して膨大数のプロセッサ自身が周辺の接続状況をチェックしながら自律的に故障プロセッサを結合から切り離しができる。しかしながら、本自律再構成は、プロセッサ間でシフトシグナルや再帰シグナルを用いプロセッサ結合を変化させるため、故障プロセッサ数が多い場合には膨大な時間を要する。してがって、プロセッサ故障の局所情報のみを用い、VLSI実装を考慮した分散・協調メカニズムのある自律再構成法の開発が必要である。
本研究では、プロセッサに自己テスト機能BISTを持たせ、シフトとバイパスの単純な方式の組み合せで自律再構成を行なう手法を提案した。シフトとバイパスを用いた格子結合型自律再構成アーキテクチャの回路規模に関する検討を行なった。その結果、従来提案手法より回路規模が少なくなり、再構成に要する時間の高速化も可能となった。また、提案したシフト・バイパス自律再構成アルゴリズムのシステム再構成性能を検討した結果、従来の手法と同程度の性能が得られることがわかった。

研究成果

• [文献書誌] 三浦 康之,阿部 亨,堀口 進,: ""階層型ネットワークTESHにおける仮想チャンネルフロー制御法","情報処理学会第125回計算機アーキテクチャ研究会,. vol.133-8,. 43-48 (1999)
• [文献書誌] 福士将,成田明子,水田智,吉岡良雄,堀口進,: ""並列コンピュータLSCにおけるフォールトトレラント手法について","電子情報通信学会フォールトトレラント研究会. FTS99-32,. 7-14 (1999)
• [文献書誌] 山田順也,堀口進: ""バイパス・シフト法を用いた自律再構成メッシュマルチプロセッサアレイのハードウェア構成""電子情報通信学会第10回機能集積情報システム研究会. FIIS-99-62. 1-8 (1999)
• [文献書誌] B.Natarajan,S.Horiguchi and V.K.Jain: ""A New Hierarchical Motion Estimation Technique for Video Compression""International Workshop on Digital and Computational Video. Tampa,Florida,U.S.A.. 6A.5, (1999)
• [文献書誌] 當山孝義,高橋篤夫,堀口進: ""超並列・分散ネットワークにおける高速通信路設備配置の評価指標の検討""情報処理学会全国大会. 2J-08. (2000)
• [文献書誌] 山森一人,阿部亨,堀口進,: ""部分学習による故障補償を行なったニューラルネットワークの汎化能力""電子情報通信学会第11回機能集積情報システム研究会. FIIS-00-71. 1-8 (2000)