研究分担者 |
朝廣 雄一 九州大学, 大学院・システム情報科学研究科, 助手 (40304761)
鈴木 昌和 九州大学, 大学院・数理学研究科, 教授 (20112302)
静谷 啓樹 東北大学, 情報処理教育センター, 教授 (50196383)
酒井 康之 三菱電機株式会社, 情報総合研究所, 主任研究員
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研究概要 |
本年度は,超楕円曲線を用いた公開鍵暗号システムの設計を行ない,ソフトウエア上での実装とハードウエア・シミュレーションによる性能を評価した. ・標数2の拡大体F_<2^n>と、素体F_p上の超楕円暗号を設定し、その性能を32ビットCPUであるペンティアムと64ビットCPUであるアルファ上で実装した。 ・種数の低い(2あるいは3)超楕円暗号の性能をハードウエア・シミュレーションより評価した. RSA暗号系や楕円曲線暗号系は,一般に演算に大きな整数を扱うため,いわゆる多倍長演算が必要である.一方超楕円曲線暗号系の場合,F_q上定義されたヤコビ多様体のF_q有理点の位数はO(q^gとなるため,同じ位数の場合gが大きいほどF_qは小さくできると予想した.群演算の演算要素は有限体上の演算であるから,群演算量においてgの大きさと有限体の大きさはトレードオフの関係にある.本研究により超楕円曲線暗号系は,gをある程度大きくすることにより多倍長演算の要らない暗号系を構成し,高速化が可能であることが検証できた。 また、超楕円曲線の中の特殊な曲線族に対して、自己同型写像を利用した高速演算アルゴリズムを提案した。
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