研究概要 |
本研究テーマでは,第2世代のウェーブレットとよばれているリフティングウェーブレットが要素技術となっている。初年度は,リフティングウェーブレットフィルタに含まれる自由パラメータの学習可能性の研究,それの信号圧縮やピーク性ノイズ除去への応用,学習機能を用いた部分画像検出法の研究,ならびに磁気嵐開始部の検出・発見の研究を行った。 論文"Wavelets with convolution-type orthogonality conditions"では,合成係数を自由パロメータにもつ合成積型直交条件を有するウェーブレットを構築した。 論文"Design of time-varying lifting wavelet filters"では,合成積型ウェーブレットフィルタを初期フィルタにもつリフティングウェーブレットフィルタを,高周波成分が0になるように制御することによって信号圧縮が可能になることを示した。またそれを膨大な心電図信号に適用し,大幅に信号圧縮できることを示した。 論文"Noise reduction using time-varying lifting wavelet filters"ではリフティングウェーブレットフィルタに含まれる自由パラメータが,ピーク性ノイズ検出のための指標となり得ることを示し,復元公式を利用したノイズ除去法を提案した。 論文"Sub-image extraction by learnt lifting wavelet filters"ではリフティングウェーブレットフィルタに含まれる自由パラメータを,検出したい部分画像の類似画像を用いて学習させることにより,参照画像の中から目標画像を検出できることを示した。 論文"Automatic detection of geomagnetic sudden commencement using lifting wavelet filters"では,リフティングウェーブレットフィルタを,観測された磁気水平成分の中に含まれる既知の磁気嵐開始部を訓練データとして用いて学習させることにより,未知の磁気嵐を検出できることを示した。
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