研究概要 |
研究課題にある学習能力を備えたウェーブレットフィルタとは,Bell研究所のSweldensによって提唱された自由パラメータを含むリフティングウェーブレットフィルタのことである。このフィルタは,ダウンサンプリング型の双直交ウェーブレットフィルタに,自由パラメータを含むリフティング項を付加して構成される。リフティングウェーブレットフィルタの重要な性質は,自由パラメータをどのように選んでも双直交ウェーブレットフィルタになることである。もうひとつの重要な性質は,このフィルタは分解フィルタと復元フィルタからなり,分解フィルタを用いて分解された信号から,もとの信号を完全に復元できることである。 本研究では,これらの性質を用いてリフティングウェーブレットフィルタの学習法を確立し,信号や画像に対する識別理論を構築した。また,その理論を応用して,信号や画像から特定部分を高速に識別し抽出する方法や,信号や画像からノイズを除去する方法を開発した。さらに,双直交ウェーブレットフィルタがもつ多重解像度解析の性質にヒントを得て,3次元形状の生成アルゴリズムを開発した。具体的には,リフティングウェーブレットフィルタの学習法と信号・画像の識別および抽出に関する研究,リフティングウェーブレットフィルタの学習法とノイズ除去に関する研究,多重解像度解析による3次元形状生成に関する研究等を行った。
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