研究分担者 |
篠原 歩 九州大学, 大学院・システム情報科学研究院, 助教授 (00226151)
竹田 正幸 九州大学, 大学院・システム情報科学研究院, 助教授 (50216909)
正代 隆義 九州大学, 大学院・システム情報科学研究院, 助教授 (50226304)
平田 耕一 九州工業大学, 情報工学部, 助教授 (20274558)
石野 明 九州大学, 大学院・システム情報科学研究院, 助手 (10315129)
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研究概要 |
本研究では,以下の三つの研究項目について研究を展開した. 1.半構造化文書からのデータマイニング方式.大量テキストからのテキストマイニング問題を考察し,これを情報検索の逆問題として定式化し,とくに,雑音の多い不完全なデータにおける頑健なパターン発見のために,統計的尺度を最適化するパターンを発見する最適パターン発見の枠組みを採用した.近接部分語パターンと呼ばれる単純なテキストパターンに対して,ランダムテキスト上できわめて高速にはたらく,最適パターン発見アルゴリズムを開発し,ウェブからのキーワード獲得問題や,対話的文書ブラウジングに適用した.さらに,ウェブやXMLデータなどの大規模半構造化文書を,「半構造化文書=テキスト+構造+属性データ」ととらえて,テキストマイニングの枠組みを木やグラフ構造に拡張した. 2.大量テキストデータに対する高速パターン照合方式.現実の大規模テキストデータベースシステムでは,大量のテキストデータを格納するため,テキストを圧縮して扱うことが多い.そのため,圧縮データ上のパターン照合アルゴリズムに力点をおいて研究した.これは,圧縮されたデータを陽に展開することなくパターン照合を行おうとするものである.本アプローチの独創的な点は,単にデータを圧縮することで記憶領域を削減するだけでなく,さらに,圧縮することでパターン照合そのものを高速化させるという狙いをもつことである.本研究では,一連の研究を通じて,一番目の目標だけでなく,二番目の目標も達成できることを実証した.さらに,既存のさまざまな圧縮方式に対して,その圧縮方式に適した圧縮照合アルゴリズムを開発すると同時に,より高い見地から多様な圧縮照合アルゴリズムを統一的にとらえる枠組みを提案することに成功した. 3.機械学習に基づくデータマイニング方式.一連の半構造化文書からの情報抽出問題を理論的に定式化し,与えられたデータからパターンを発見する問題の学習可能性と限界を理論的に明らかにした.次に,Tree Wrapperや生垣とよばれる木と文字列の双方の性質をもつ木構造パターンに対して,半構造化文書からの情報抽出のための効率よい情報抽出アルゴリズムを開発した.さらに,実際のウェブデータを対象として,さまざまなタイプの半構造化文書から,利用者が必要とする情報を獲得するという情報獲得実験を行い,その有効性を検証した.
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