研究課題
1.古文書解読支援システムのユーザインタフェースの開発平成12年度に、古文書解読知識を利用した証文類の翻刻支援システムを実装するにいたったのを受けて、本年度は古文書翻刻支援のための電子辞書のプロトタイプを実装した。このプロトタイプには2種類あり、第1のプロトタイプは、文字コードからくずし字を検索し、さらに例示された文字と類字した文字をオンラインとオフラインの文字認識技術の応用により検索する機能を持っている。第2のプロトタイプは、タブレット入力された文字と外形が似たくずし字をオフライン文字認識によって検索する機能を持っている。2.古文書文字認識の高性能化平成12年度までに開発済みの古文書文字認識部と文字切り出しツールを古文書用にさらにチューニングし、より高性能なものにするための研究を実施した。文字認識部では、少数の文字サンプルから多くの文字サンプルを自動的に生成する方法を研究した。文字切り出し法の研究では、マーカーで囲った文字を自動的に切り出すツールを作成し、文字データベース作成作業で利用した。また、古文書文字認識研究を推進するための、23万字に及ぶ古文書文字データベースをほぼ完成させ、その一部をすでに公開している。このデータベースでは、大阪市立大学所蔵の「伏見屋善兵衛文書」から上記の開発ツールを使用して1文字づつを切り出し、その翻刻文と対応させてあり、古文書オフライン文字認識研究のための基礎データになるとともに、前後の文脈情報を利用した文字認識の研究のためにも役立てうるものになっている。
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