研究分担者 |
二宮 祥一 東京工業大学, 理財工学研究センター, 助教授 (70313377)
白川 浩 東京工業大学, 理財工学研究センター, 助教授 (10216187)
比嘉 邦彦 東京工業大学, 理財工学研究センター, 教授 (50282877)
宇野 毅明 東京工業大学, 大学院・社会理工学研究科, 助手 (00302977)
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研究概要 |
「金融リスク評価システムの工学的研究」では,企業の経営状態を反映すると考えられるられるさまざまな財務データをもとに,,企業の信用リスクを測定するための研究を行った.具体的には,中小企業の信用リスクと相関性のある指標項目群をもとに,企業の倒産予測力を最大化する数理計画問題をさまざまなクラスにより定式化し,中小企業の財務データ信用リスクのスコアリング分析法を開発した.さらに,東京商工リサーチの中小企業財務データベースをもとに70項目ほどの財務指標を作成し,1997年〜1998年の間の財務指標並びに倒産・非倒産実績を学習データとして1998年末の企業の財務指標と1999年中の企業の倒産・非倒産結果をテストデータとした場合のモデルの予測力の実証分析を行った.結果として,本研究で提唱した半制定値計画法により倒産判別関数を推定すると,,第一種・第二種の誤りをかなりの精度で向上できることを明らかにした.さらに従来,倒産予測のベンチマークとして用いられていたロジットモデルとの比較においても,約5%程度の予測力の向上を確認することができた. また、大規模国際分散投資を可能とする2段階解法にもとづく二次計画法の最適化アルゴリズムを開発すると共に、すでに定評のある数理計画法パッケージであるNUOPTに改良部分を実装することで、大規模投資問題に対して実用的な解決法を考えた。また、中小企業向け与信リスクを合理的に判断可能とする、キャッシュフローに基づく信用リスク評価モデルを開発し、さらに当該理論モデルを実際的に応用できるよう、判別分析の枠組みにより倒産確率を推定するリスク分析手法も開発した。
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