• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2000 年度 実績報告書

超電導コイル強磁場中プラズマ利用新機能性フラーレン分離・精製法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 11558051
研究機関東北大学

研究代表者

島本 進  東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (00311548)

研究分担者 平田 孝道  東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (80260420)
畠山 力三  東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (00108474)
金子 俊郎  東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (30312599)
佐藤 徳芳  東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (40005252)
キーワードフラーレン分離・精製 / サイクロトロン共鳴 / 超電導コイル・強磁場 / ヘリカルアンテナ
研究概要

(1)現有設備の超電導コイルにより4テスラの強磁場を大空間(直径40cm,長さ40cm)に発生させた.この中に真空容器を設置し,その一端からスパイラル状のタングステン電極を加熱することにより発生させた熱電子を,その前面のグリッドで加速することで電子ビーム及び直流放電アルゴンプラズマを生成した.一方,昇華用オーブン内に導入されたフラーレンは,オーブンを約350℃に加熱することによってガス化され,そこに電子ビームまたはアルゴンプラズマが照射されることで電離し,フラーレンイオンが生成される.なお,今回は質量分離を行う観点から,C_<60>,C_<70>混合フラーレンを用いた.
(2)まず,高周波電場を印加しサイクロトロン共鳴の原理を利用する質量分離法が,極端に高質量のフラーレンに適用できるかを確認するため,上記の原理に基づくオメガトロン質量分析器を用いてフラーレンイオンの検出を行った.その結果,最大2.4テスラまでC_<60>,C_<70>イオンに相当する質量の位置に独立したピーク信号が検出され,しかもそれらの半値幅から算出される質量分解能が磁場強度の二乗に比例して増加していくことが観測された.これらの結果は,理論的に算出される質量分解能にほぼ一致しており,この質量分離法がテスラ級の強磁場下で高質量のフラーレンにも適用可能であることが明らかになった.また,テスラ級の強磁場が質量分解能の向上という点で非常に有用であることが示された.
(3)次に,この質量分析器を発展させ,フラーレンの大量分離・精製を行うことが可能であるヘリカルアンテナ型質量分離装置の開発を行った.このヘリカルアンテナは大電力の投入が可能であり,また高密度のフラーレンプラズマ中へ高効率に高周波電磁場を浸透させることができる.この装置で上記混合フラーレンの質量分離を行った結果,オメガトロン質量分析器の場合と同様に,C_<60>,C_<70>イオンをそれぞれ分離して検出することに成功し,さらにアンテナへの投入電力に比例して検出電流の強度が増加することが明らかになった.これは,フラーレンイオン分離・精製量の向上を意味しており,この質量分離装置の実現可能性を実証した.

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] T.Murakami: "Two-dimensional quench simulation of composite CuNb/Nb_3Sn conductors"Cryogenics. 40. 393-401 (2000)

  • [文献書誌] 寺島潤一: "テスラ級強磁場中フラーレンイオン質量分離の高効率化"プラズマ・核融合学会第17回年会予稿集. 27pA38P. 93-93 (2000)

  • [文献書誌] 村上朝之: "複合CuNb/Nb_3Sn線のピンニング力に関する温度スケーリング"低温工学. 35・6. 298-304 (2000)

  • [文献書誌] K.Watanabe: "Normal Zone Propagation Properties in a Cryogenfree Nb_3Sn Coil"Mass And Charge Transport in Inorganic Materials. Part B. 1479-1485 (2000)

  • [文献書誌] K.Watanabe: "Quench Behavior of Nb_3Sn Wires in a Cryocooled Superconductiong Magnet"Advance in Cryogenic Engineering (Materials). 46. 951-957 (2000)

  • [文献書誌] 寺島潤一: "ヘリカルアンテナ利用テスラ級強磁場中でのフラーレン質量分離"日本物理学会第56回年会講演概要集. 27aWD4(印刷中). (2001)

URL: 

公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi