研究課題/領域番号 |
11558052
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研究機関 | 中部大学 |
研究代表者 |
中村 圭二 中部大学, 工学部, 助教授 (20227888)
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研究分担者 |
菅井 秀郎 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 教授 (40005517)
松岡 良輔 中部大学, 工学部, 教授 (10308819)
池澤 俊治郎 中部大学, 工学部, 教授 (60065282)
高須賀 誠一 (株)ニッシン, 技術部・次長(研究職)
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キーワード | プラズマプロセス / 電子密度 / 堆積膜 / プラズマ吸収プローブ / 分散関係 / 表面波 / シース |
研究概要 |
本研究では、通常のシングルプローブでは測定困難な膜堆積性プロセスプラズマにも適用でき、かつリアルタイムの電子密度測定が可能なプラズマ吸収プローブを開発し、それを密度制御のためのプラズマモニタリングに利用してプラズマの超精密制御技術を確立することを目指している。本年度は、フロン系プロセスプラズマにプラズマ吸収プローブを適用し、そこでの電子密度を明らかにするとともに、プロセスの安定性について検討した。またプロセスプラズマではかなりの割合で直流磁場が印加されていることを考慮し、特にプラズマ吸収プローブにおけるシースの影響について検討した。 誘導放電により10^<15>〜1-10^<18>m^<-3>程度のプラズマを生成し、プラズマ吸収プローブに用いる誘電体管の材質を変えながら電子密度を測定したところ、10^<17>m^<-3>以上のプラズマでは誘電体管の誘電率によって吸収ピークの周波数が変化し、従来の方法で密度を算出することができるが、密度が低くなるにつれて吸収ピークの周波数が誘電体管の誘電率に依存しなくなり、特に10^<15>m^<-3>以下になるとその傾向が顕著となるので、従来の算出法を用いることができなかった。そこで、誘電体管とプラズマ間に存在するシースを考慮して誘電体表面を伝搬する表面波の分散関係を計算し、実験で得られた吸収周波数の密度依存性と比較したところ、シースの厚みはデバイ長の2倍程度であることがわかった。またシングルプローブと比較したところ、このようなシースを考慮することにより、電子密度が10^<15>m^<-3>以下のプラズマでの測定精度が2〜4倍程度向上することがわかった。 またメタルスパッタプロセスでは表面が金属で覆われてしまうので、付着するメタル膜の影響がないように、誘電体管を用いない新しい金属型プラズマ吸収プローブも開発した。金属型プラズマ吸収プローブではプラズマと直接接するロッド状のメタルアンテナ表面に形成されるシースを表面波が伝搬しており、誘電体を用いたプラズマ吸収プローブと同様に、シース厚さをデバイ長の2倍程度にすると実験結果をよく説明することができた。従って、金属型プラズマ吸収プローブを用いると、金属膜の堆積が伴うようなプロセスでも、精密に電子密度を求めることができることがわかった。
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