研究課題/領域番号 |
11558056
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
井口 哲夫 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (60134483)
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研究分担者 |
笹尾 真実子 核融合科学研究所, 開発研究系, 助教授 (00144171)
河原林 順 名古屋大学, 工学研究科, 助手 (80283414)
瓜谷 章 名古屋大学, 工学研究科, 助教授 (10213521)
北 好夫 東芝, 府中工場・原子力計装システム部, 主査
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キーワード | 核融合 / 中性子計測 / 高速中性子カメラ / 高指向性中性子検出器 / 希ガスシンチレータ / 核燃焼プラズマ診断 |
研究概要 |
本研究は、大型磁場閉じ込め核融合実験装置におけるDT(またはDD)核反応プラズマから発生する中性子の空間・時間相関プロファイル測定技術の高度化の観点から、小型の指向性中性子検出器アレイをベースにした空間的制約の少ないコンパクトな高速中性子発生プロファイル計測(カメラ)システムの構築を目的としている。具体的には、He(またはH_2)-Xe希ガスシンチレータ中に荷電粒子コリメータを設置し、入射中性子によって生成される反跳He(または陽子)のうち、このコリメータを通過した成分のみを同時計数で選択的に検出する原理に基づく指向性検出器要素の設計・試作、性能実証を行うとともに、実用的な核融合中性子カメラシステムの設計提案を行うものである。 本年度は、昨年度の研究成果と本研究のとりまとめを念頭に、 1.希ガス発光特性の経時変化(中性子照射に伴い混入してくる不純物の除去)対策として、ガスフロー型検出器系への改良を行い、標準α線源を用いて、希ガスシンチレーション特性の再現性とともに、測定原理に基づく正常動作を確認した。 2.改良型検出器系につき、原研核融合DT中性子源FNSを用いて、中性子検出に関する基本特性、特に指向性評価のための角度依存応答に関する系統的な測定を行った結果、中性子源強度に比例する発光量や、その反跳Heのエネルギー分布を反映した波高分布をほぼ安定して得ることができた。 ただし、検出器応答の指向性について、中性子入射角度が大きくなると、偶然同時計数の寄与が相対的に増加(S/N比が劣化)して理論計算との不一致が大となり、今後改善すべき課題が明らかとなった。 3.核融合科学研LHDへの適用を想定して、本指向性中性子検出器をベースにした中性子カメラシステムの設計検討を行い、従来方式に比べて、ほぼ同等な性能を保ちながら、そのシステム体積を1/20程度まで大幅に軽減できることを示した。
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