研究課題/領域番号 |
11558058
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
核融合学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
深田 智 九州大学, 大学院・工学研究院, 助教授 (50117230)
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研究分担者 |
古藤 健司 九州大学, 大学院・工学研究院, 助教授 (50091351)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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キーワード | トリチウム / コールドトラップ / 核融合炉 / ミスト生成 / 緊急浄化システム / 熱泳動 / ガス分離膜 / インベントリー |
研究概要 |
核融合炉開発のためには、燃料である放射性三重水素(トリチウム)の安全閉じ込めと燃料精製処理ループの確立が必須である。緊急時トリチウム浄化処理システムでは、被ガス中のトリチウムを触媒酸化し、水の形でゼオライト系吸着剤で固定化処理するシステムが主流であり、この方法で国の安全管理基準を満たすが、吸着剤構造質中トリチウムの除去が難しく、微量トリチウムの破過が生じトリチウムインベントリが増加する欠点がある。今後ITER級の核融合炉システム構築のためのキログラムオーダーのトリチウム安全閉じ込めに向けて、従来の触媒酸化吸着システムの改良が必須である。 ポリイミドガス分離膜は、水素と水蒸気の高い膜透過性を利用し、トリチウムガスの減容と装置の小型化を可能にすることができる。本研究では、ガス分離膜前段の圧縮機出口にコールドトラップを設置することによりトリチウム水蒸気を凝結回収し、吸着剤を用いずに室内トリチウムを安全管理レベルまですみやかに回収する装置を試作し実験的に検討した。 所定の条件までの凝縮回収のためには、コールドトラップ内の水蒸気のすり抜けと結霜除去したときの装置閉塞の問題を解決する必要がある。研究初年の平成11年度には、トラップすり抜けの原因が均質相核形成であることを見い出し、ミスト発生のない運転条件の設定と2段階冷却除去システムの構築、閉塞に至る霜層成長速度の定量的予測と除去効率の増加に成功した。研究の最終年度の平成12年度度では、多空隙型トラップと液体窒素冷却粒子充填コールドトラップの2段階で極低レベルまで連続的に除去する装置を製作し実験した。結果を海外論文に発表するとともに、ITER級トリチウム浄化システムの最適設計をおこない、燃料精製処理ループ全体の整合性と統合的な視野も含めて、プラ核学会誌等に成果を発表した。
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