研究分担者 |
鈴木 肇 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 助手 (20260044)
渡辺 二太 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 教授 (70023728)
大藪 修義 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 教授 (60203949)
増崎 貴 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 助手 (80280593)
森崎 友宏 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 助手 (60280591)
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研究概要 |
平成11年度は,コンパクトヘリカルシステム(CHS)で行ったローカルアイランドダイバータ(LID)原理実証実験のデータ解析と,この結果を踏まえて、大型ヘリカル装置(LHD)用実機の,現段階における設計性能の評価を計算機シミュレ-ションにより行った. LIDの性能を表す物理量としては,主プラズマからの拡散粒子に対する排気効率が良い指標となる.CHSにおける実験では,静電プローブによる粒子束計測と,高速イオンゲージによるLIDチェンバー内の中性粒子圧力の計測から,ダイバータヘッドおよびバッフル板形状の最適化が十分でないにもかかわらず,排気効率は数%から10%程度であることが明らかになった.これは既存の中・大型トカマクのダイバータ排気効率と遜色のない値である.従ってダイバータヘッド等の形状最適化を行ったLIDを,CHSよりも閉じ込め性能の良い大型装置に適用した場合,排気効率の更なる増加が期待できる.このような条件の下,荷電粒子(イオン)に対しては磁力線トレースにランダムウォーク過程を付加したコードを,ダイバータ板に到達し中性化した粒子に対しては中性粒子モンテカルロコードを使用し,両者の組み合わせからLHDにおけるLID排気効率の評価を行った.その結果,周辺プラズマの拡散係数Dが0.1m^2/secより小さい場合,排気効率は最大で約50%にまで達することが明らかになった.この時,熱負荷に弱いとされるダイバータヘッドの先端部は完全にアイランドの中に入っており,期待通り高温プラズマに直接曝されない状態が保たれていることも確認された.周辺部におけるD=0.1m^2/secという値は,大型装置における最近の実験で裏付けされている値であり,今回のシミュレーションにより,LIDはLHDにおいて非常に高性能なダイバータになり得ることが明らかになった.
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