研究課題/領域番号 |
11558061
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
寺井 隆幸 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (90175472)
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研究分担者 |
下山 淳一 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (20251366)
山口 憲司 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (50210357)
山脇 道夫 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (30011076)
小野 双葉 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (00011198)
米岡 俊明 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (40013221)
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キーワード | 高温酸化物超伝導体 / 中性子照射 / 臨界電流密度 / 照射欠陥 / ピン止め中心 / アニール / 放射化 |
研究概要 |
本研究は、次世代の超伝導材料として注目されている高温酸化物超伝導体について、高速中性子照射や、ウランドーピング後熱中性子照射による核分裂によって照射欠陥を内部に導入し、これを量子化磁束のピン止め中心として働かせ、臨界電流密度を実用レベルにまで向上させた材料を試作することを目的とする。本年度は、本研究の2年度目であり、具体的に以下の作業を実施した。 1)照射用酸化物高温越伝導体試料の作製 結果の解析が容易なBi-2212単結晶試料を東京大学工学部において作製するとともに、実用材料として研究が進められている溶融凝固バルク材料を超伝導工学研究所において作製した。 2)酸化物高温超伝導体試料の照射 上記により作製した試料について、東京大学工学部「弥生」炉および日本原子力研究所JMTRおよびJRR-3で高速中性子照射および熱中性子照射を行った。特に、照射温度の効果を調べるために、400℃程度の高温での照射も併せて実施した。 3)高温超伝導体試料の照射前後の特性測定と照射欠陥の同定 照射前後の試料の特性に関して、Jc等の超伝導特性の測定、ピン止め中心の特性測定などを行った。特に、フラックスクリープ法により、ピン止めポテンシャルの測定を行い、673K程度の比較的低いアニール温度において、その大きな増加が見出した。 4)高温超伝導体試料の放射化量評価 本手法の実用性を検討するための極めて重要な因子である放射化についてBi-2212の放射化の測定と放射化の計算を行った。誘導放射能の約40%がCo、Zn等の不純物に由来すること、試料作製過程においてCoやZnの量を減らすことにより、ある程度の誘導放射能の低減が可能であること、また、Cdフィルタを用いることにより誘導放射能を30%程度まで減らすことができるという知見を得た。
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