研究概要 |
白血病T細胞を用いた免疫毒性検出系の大量サンプル処理システムに適したアポトーシス検出法を見い出すため、アポトーシス検出感度の高く、低バックグラウンドの検出系を検討した。特に、検出感度の高い方法として、カスパーゼ3活性測定法を検討した。白血病T細胞のアポトーシスの初期過程で、カスパーゼ3が活性化されることを確かめた。そこで、カスパーゼ3の基質に蛍光物質を結合した化合物を用いると、反応によって放出された蛍光物質は、励起光により蛍光を出すようになり、より感度の高い検出方法となり、10^5個の細胞で十分測定できることがわかった。迅速にかつ効率よく評価することが可能な96穴マイクロタイタープレートを用いた蛍光測定法半自動システムを購入し、大量のサンプルを高速大量に処理することが可能であることを検証した。 免疫T細胞特異的に発現している、プロテイン・キナーゼC-theta(PKC-θ)の関与を調べるため、PKC-theta特異的阻害剤で処理すると、ダイオキシンによるアポトーシスをほぼ完全に阻止した。また、PKC-θを活性化する1,2-diacylglycerol (DAG)を生成する酵素Phospholipase C-γの特異的阻害剤U73122でアポトーシスは顕著に抑えられることが明らかとなった。これらの機構を明確にすることによって、より簡便な新しい評価システムを開発することができると考えている。
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