研究課題/領域番号 |
11558072
|
研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
正田 誠 東京工業大学, 資源化学研究所, 教授 (70023489)
|
研究分担者 |
吉永 文弘 (株)バイオポリマリサーチ, 常務取締役(研究職)
菅野 靖史 東京工業大学, 資源化学研究所, 助手 (90282855)
|
キーワード | 酢酸菌 / バクテリアセルロース / エアリフト型リアクター / 高濃度酸素 / ペレット / フルクトース / 水溶性多糖 |
研究概要 |
(A)エアリフト型リアクター実験 (1)酢酸菌Acetobacter xylinum BPR-2001を用いた培養実験を行った。糖源としてフルクトース濃度を変化させたところ60g/l〜70g/lで最大のバクテリアセルロースが得られた。排出ガスのO_2-CO_2濃度をCO_2-O_2ガス分析計でモニターし炭素収支をとった。培養中の菌体量、糖濃度、バクテリアセルロース濃度、副生産物である多糖の生産量を経時的に測定し、特異なペレット状のセルロースが3層構造をとることを発見した。このときのバクテリアセルロース生産速度は0.22g/l/hであり対糖収率は35%であった。この値は今まで報告されている生産速度の約2培であった。対糖収率も他のデータより20〜30%高い値であった。この高い生産条件下ではCO_2の発生量が他の糖濃度より低いこと、副生産物の量も低かった。 (2)水溶性多糖添加物培養 水溶性多糖として寒天、キサンタンをあらかじめ培地に添加するとバクテリアセルロースの生産性が向上した。この水溶性多糖添加状態では液の粘度が上昇し、菌とセルロースが分散状態になり、凝集を防いだために生産性が向上したと考えられた。同じ水溶性多糖でもデキストランは菌の増殖阻害をひきおこした。 (B)撹拌槽による実験 10リットル撹拌槽について上記(1)に対応する培養実験を行ったところ、バクテリアセルロースの生産性はエアリフト型リアクターより10%低下した。その分副生産物が多く生産された。 上記(2)の実験も同様に行ったが、水溶性多糖添加効果はみられなかった。
|