研究課題/領域番号 |
11558075
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 豊橋技術科学大学 |
研究代表者 |
藤江 幸一 豊橋技術科学大学, 工学部, 教授 (30134836)
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研究分担者 |
胡 供営 豊橋技術科学大学, 工学部, 助教授 (30262976)
平石 明 豊橋技術科学大学, 工学部, 教授 (40283486)
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キーワード | 微生物群集構造 / キノンプロファイル / FISH / PCR / 土壌汚染 / バイオマス / 汚染修復 / 微生物多様性 |
研究概要 |
近年、有害科学物質による環境汚染は、水圏に留まらず、土壌圏にも広がりつつある。汚染土壌修復技術の一つとして微生物による浄化方法が有望とされている。微生物による汚染修復を適切且つ効果的に行うためには、汚染サイドにおける微生物群集に関する情報や分解微生物の活性維持技術に加えて、汚染修復の実施による微生物生態系への影響について定量的に評価する必要がある。本研究では、地圏における微生物群集構造および特定微生物の解析手法の開発を目的としている。微生物群集構造の解析にはキノンファイル法を適用し、特定微生物の追跡には遺伝子をターゲットにした分子生物学的手法の開発を目指す。土壌、干潟、水界堆積物における微生物の時空間的変化をキノンプロファイルを利用して解明し、微生物群集構造と物質循環・汚染物分解能との関係について検討を行う。FISHやPCRなどの分子生物学的手法を併用することにより、キノンとバイオマス、微生物活性との関係を明らかにしていく。さらに、汚染修復過程での微生物群集構造変化を解析し、環境圧に対する微生物群集構造の応答予測モデルの構築を試みる。 本年度では、特定微生物モニタリング手法を確立するための土壌微生物抽出方法について検討を行った。水による土壌微生物抽出は、抽出率が25%程度と低いものの、抽出された微生物群集構造は土壌元来のそれとほぼ同じであることが明らかにされた。一方、分散・遠心法による土壌微生物抽出液には不純物が少なく、分子生物学的手法が適用しやすいが、土壌からの微生物回収率が5%程度と極めて低かった。土壌からの微生物抽出方法について、抽出率の向上など多くの課題がまだ残されている。
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