研究課題/領域番号 |
11558091
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
寺島 俊雄 神戸大学, 医学部, 教授 (20101892)
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研究分担者 |
岡戸 晴生 , 財団法人・東京都神経科学総合研究所・病態神経生理学研究部門, 主任研究員 (60221842)
吉川 知志 神戸大学, 医学部, 助手 (90244681)
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キーワード | アデノウイルス / βガラクトシダーゼ / 遺伝子導入 / リーラーマウス / カハールレチウス細胞 / リーリン |
研究概要 |
CAGプロモーターと大腸菌βガラクシトダーゼをコードする遺伝子LacZ遺伝子を導入した組換えE1a・E3欠損型アデノウイルスベクター(Adex1CALacz)を、ヒト胎児由来293細胞で増殖後、高力価ウイルス液を作成した。腟栓確認後12日-21日の妊娠マウスを麻酔し、子宮壁越しに、ガラスピペットを用いてウイルス液をカハール・レチウスニューロンが軸索を伸ばす大脳皮質深層に注入した。注入後、1日から数日の期間をおいて、4%パラフォルムアルデヒドで動物を潅流した。脳を取りだし、同一固定液に2時間浸漬後、クリオスタットにて40μmの凍結切片を作成し、ゼラチン塗布スライドに切片を貼付した。lacZ組換えアデノウイルスの場合は、X-gal染色あるいはβガラクシトダーゼに対する抗体を用いた免疫染色および電顕観察により、GFP遺伝子組換えアデノウイルスの場合は、蛍光顕微鏡により標識ニューロンの分布を調べた。その結果、大脳皮質の分子層にあるカハール・レチウスニューロンが、逆行性にウイルス感染を受けて、強いβガラクトシダーゼ活性を示した。 一方、リーラー奇形マウスの病因遺伝子リーリンreelin(Reln)の翻訳領域全長のうち、5'側のシグナル配列を含む領域1kbpから3kbpをアデノウイルス発現カセットAdex1CALaczに組み込んだ。雌雄のリーラーヘテロマウス(rl/+)を交配し腟栓確認後12日から21日の母親マウスを開腹し、子宮壁越しにリーリン遺伝子組換えアデノウイルスベクターを胎児大脳皮質に注入すして、リーリンを本来発現しないリーラーマウスの大脳皮質にリーリン遺伝子と同蛋白が発現するかどうかを検討中である。
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