研究課題/領域番号 |
11558097
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 滋賀医科大学 |
研究代表者 |
鳥居 隆三 滋賀医科大学, 医学部, 助教授 (50106647)
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研究分担者 |
入谷 明 近畿大学, 生物理工学部, 教授 (80026385)
和 秀雄 大阪大学, 人間科学部, 教授 (60072675)
細井 美彦 近畿大学, 生物理工学部, 助教授 (70192739)
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キーワード | ニホンザル / 体外受精 / 胚移植 |
研究概要 |
ニホンザルを室内で計画的に繁殖する方法として、すでに確立した人工受精法に加えて、本年度は体外受精法の確立を目的として実験を行った。、以下にその研究成果の概要を列記する。 1.精子バンク作成のための、電気射精および精巣上体から採取した精液を、凍結保存する方法を確立し、10頭の精液を液体窒素中に保存できた。 2.この凍結精子は融解後、新鮮精液と変わらない生存率、運動性を維持していることが確認できた。 3.体外受精のための、卵胞刺激法として卵子採取の方法としてPMSG(25IU/kg)あるいはhMG(10IU/kg)を連日9日間投与し、その後hCG(400IU/kg)投与後40時間目に採卵する方法によって最適かつ安定した成熟卵子が得られることが分かった。 4.採卵の方法として、開腹による方法ではなく、サルの福祉を考慮して、腹腔鏡による卵巣穿刺方法を試み、ルーティン法として確立できた。 5.採卵した成熟卵子と新鮮精子および凍結保存精子を用いた体外受精に成功し、受精後、桑実胚への分割を確認できたことから、体外受精系を確立できたと考える。 6.受精後の分割初期胚を移植する方法として、腹腔鏡観察下で、卵管采に移植する方法を試みた結果、レシーピエント個体6頭に移植した中で2頭で妊娠を確認し、1頭は正常出産した。 以上のように、本年度は、精子採取と凍結保存、成熟卵子の採取、体外受精系を確立、および授精胚移植についての一連の実験系が完成したと考える。今後、受精胚の凍結保存法、受精胚の体外培養系、顕微授精系等の開発を行い、クローンサルの作出も念頭に入れた計画繁殖を目指したい。
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