研究課題
平均体重50〜60Kgの成人を対象に、体内完全埋め込み式補助(VAD)及び全置換型(TAH)人工心臓の研究開発を進めてきた。開発したTAHのサイズは、直径90mm、厚さ73mm、体積400cc、重量440gで、一回拍出量は55cc、最高流量8L/mnが可能である。必要電力は10〜15ワットである。血液接触面及びダイアフラムは抗血栓性に優れたポリウレタンで作製した。ポンプの駆動制御回路は、16ビットマイクロプロセッサを搭載した体内埋め込み可能なシステムを作製した。流入・流出弁は29mm、25mmのB-S弁を使用した。体重100Kgの仔牛2頭を用い、ポンプの解剖学的適合性の評価及びポンプ埋め込みに関する手術方法について検討し、良好な所見を得た。VADは、TAHと同様の部品、駆動制御回路を使用して作製した。ポンプハウジングは、生体内での長期安定性を目標にTi-6Al-7Nb合金で作成した。ポンプは、直径90mm、厚さ55mm、体積275cc、重量450gで、一回拍出量及び最高流量は、TAH同様に55cc、8L/minである。必要電力は5〜9ワットで、エネルギー効率は最高24%が得られた。NiMH又はLiイオン電池を用い2時間以上の駆動が可能である。ポンプ内での血栓形成部位の確認を目標に、流入・流出弁としてB-S、SJM又はポリウレタン3尖弁を用い行った。また、体内完全埋め込みを想定して、コンプライアンスチェンバーのポンプ駆動に与える影響を模擬循環回路で評価した。
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