研究課題/領域番号 |
11558105
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
伊能 教夫 東京工業大学, 大学院・情報理工学研究科, 助教授 (70126308)
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研究分担者 |
村山 寿 呉羽化学工業株式会社, 生物医学研究所, 研究主任
槇 宏太郎 昭和大学, 歯学部, 講師 (80219295)
宇治橋 貞幸 東京工業大学, 大学院・情報理工学研究科, 教授 (80016675)
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キーワード | 骨体の頑健性 / 脊椎骨 / 個体別モデリング / CTデータ / 応力解析 |
研究概要 |
本研究の目的は、非侵襲の状態で骨体の構造力学的強度を評価可能なシステムを構築することである。本年度(平成11年度)は、X線CT装置から得られるマルチスライス画像を用いて、骨体の有限要素モデルを作成し、力学解析を行う手法について検討を行った。その際、動物実験によるデータを用いて、解析システムの妥当性を示すことを目標とした。開発した実験手法および解析手法は以下の通りである。 1.まず、動物(ウサギ)脊椎骨の圧縮試験を安定して行うために、骨体両端を樹脂で成形する手法を開発した。これにより骨端での破壊を抑えることができ、解析結果との比較が容易になった。 2.次に、力学条件の整合性を取るために、圧縮試験の時に感圧シートを骨体両端(平坦に加工した樹脂の部分)に挿入し、この部分に生じる力の分布を測定した。この力分布を基に有限要素モデルに加える境界条件をパーソナルコンピュータ上で入力できる解析システムを開発した。 3.骨体情報は、骨蜜度の定量化が可能なpQCT装置を用い、これより骨体有限要素モデル内の各要素のヤング率の値を算出し、自動的に割り当てる手法を開発した。 4.個体別モデリング手法として、レジンを含めた状態でも有限要素モデルが生成できる手法を開発した。これまでの手法では、異なる物質が介在すると、その境界面で不自然な要素が発生することがあったが、今回開発した手法で解消した。 5.最後に力学解析によって得られる応力/強度の表示によって骨体の頑健性が評価可能なことを示した。ただし、今回用いたウサギの脊椎骨は、人の脊椎骨と比較して形態がかなり異なるため、次年度では動物を変えて実験を行う必要がある。
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