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2001 年度 実績報告書

無血清培養を可能にするTissue Engineering用マトリクスの開発

研究課題

研究課題/領域番号 11558111
研究機関国立循環器病センター

研究代表者

岸田 晶夫  国立循環器病センター研究所, 生体工学部, 部長 (60224929)

研究分担者 中山 泰秀  国立循環器病センター研究所, 生体工学部, 室長 (50250262)
芹澤 武  鹿児島大学, 工学部, 助教授 (30284904)
明石 満  鹿児島大学, 工学部, 教授 (20145460)
古薗 勉  国立循環器病センター研究所, 生体工学部, 室長 (30332406)
キーワードγ-PGA / 硫酸化 / 増殖因子 / 無血清培養 / 生分解性材料
研究概要

Tissue Engineeringにおいてできる限り動物由来の物質の利用を人工物で代替するために、無血清で、かつ最小限のタンパク質の利用で生体外組織再構築を行うシステムの開発を試みた。軟組織マトリクスの再構築を目的とし、生分解性高分子であるγ-ポリグルタミン酸の側鎖を化学修飾して硫酸基を導入した。硫酸基は成長因子の結合サイトとしてでなく、カチオン性の生分解性高分子(キトサンなど)とのコンプレックス形成も可能にする。また血液抗凝固活性も有すると期待される。
(1)機能性γ-ポリグルタミン酸の新しい調整法と特性解析
γ-ポリグルタミン酸(γ-PGA)の側鎖に硫酸基を導入した。前年度までに新規な修飾法としてアミノメチルプロパンスルホン酸(タウリン)結合法を開発した。本年度は本法を用いて合成した硫酸化γ-PGAの特性について評価した。反応時間や濃度を変化させて10〜80%程度の置換率のものを調製し、分子量測定、分解性を検討した。分子量については高分子電解質特有の性質を示し、詳細な同定は詰め切れていないが、出発物質からは1/3〜1/8程度に低下していることが示唆された。これは反応が進むにつれて溶解性が向上し、周辺pHの影響で分解しているものと考えられた。
(2)生物学的活性の検討
調製した硫酸化γ-PGAを用いて生物学的活性(抗血栓性と細胞増殖促進効果)を検討した。抗血栓性については、ヘパリンと比較すると活性は非常に弱かったが、細胞増殖促進効果に関してはヘパリンに匹敵する活性を有する分画が存在することを見いだした。無血清培養の検討においても、ヘパリンよりも優れた活性が認められ、生分解性増殖促進剤としての機能が期待できた。
(3)培養システムの構築
灌流型バイオリアクターに組み込むための反応条件について調査・検討を行ったが、高い溶解性のため安定に組み込むことは困難であった。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] M.Matsusaki: "Novel functional biodegradable polymer : synthesis and anticoagulant ac-tivity of poly(γ-glutamic acid)sulfonate(γ-PGA-sulfonate)"Bioconjugate Chemistry. 13. 23-28 (2002)

  • [文献書誌] A.Kishida: "Polymeric Biomaterials, 2nd Ed. Chapter 6. Hydrogels for biomedical and pharmaceutical applications"Marcel Dekker, Inc. 13 (2001)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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