研究課題/領域番号 |
11558115
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研究機関 | 川崎医科大学 |
研究代表者 |
小笠原 康夫 川崎医科大学, 医学部, 助教授 (10152365)
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研究分担者 |
仲本 博 川崎医科大学, 医学部, 助手 (10299183)
矢田 豊隆 川崎医科大学, 医学部, 講師 (00210279)
梶谷 文彦 岡山大学, 医学部, 教授 (70029114)
山森 伸二 日本光電工業(株), R&Dセンター, 部長
豊田 英嗣 川崎医科大学, 医学部, 助手 (30248215)
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キーワード | マイクロストレイン / NADH / 虚血 / 冠微小循環 / 高速度CCD生体顕微鏡 |
研究概要 |
近年まで技術的困難性から検討されていなかった拍動心のμmオーダメカニクスを微小歪み(マイクロストレイン)として、左心室の広範囲で直接可視化・解析することを目的とする。また、併せて同領域でミトコンドリアの酸素不足を反映するNADH蛍光法により微小領域代謝異常の分布パターンを可視化・解析し、歪みと虚血部位との関連性を空間的に統合して検討した。 初年度は主に心表面における微小歪み解析のための計画を主体とした。心筋は心内膜側(心臓内腔側)が虚血に脆弱で、たとえば高血圧や狭心症では容易に心内膜側心筋の虚血が発症する。そこで、コントロールのイヌとすでに確立されている病態モデルの動物を対象に、心内膜側心筋の微小領域における歪み特性を明らかにするため、小型プローブの試作を試みた。当研究室にある高速度CCD生体顕微鏡システムはすでにニードルプローブレンズの型で完成・実用化されており、心内膜側心筋ヘアプローチしてそこの微小領域観察が可能であった。また、心内膜側と心外膜側心筋の特徴を明らかにするため、心筋壁断面内のNADH蛍光を観測できる実験モデルを作成し、計測・解析した。すなわち、心腔内を開放しない程度に、心尖部を切除し、その断面の観測を行った、心筋璧断面においても心表面と同様に代謝機能の不均一性が見られた。特に心内膜側心筋においては、心外膜側に比して、虚血再灌流時のNADH蛍光強度が強い傾向があり、心内膜側心筋の虚血に対する脆弱性が窺われた。
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