研究課題/領域番号 |
11558116
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
医用生体工学・生体材料学
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研究機関 | 川崎医療短期大学 |
研究代表者 |
片岡 則之 川崎医療短期大学, 臨床工学科, 講師 (20250681)
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研究分担者 |
梶谷 文彦 岡山大学, 医学部, 教授 (70029114)
望月 精一 川崎医療短期大学, 臨床工学科, 助教授 (60759596)
後藤 真己 川崎医療短期大学, 臨床工学科, 助教授 (50148699)
辻岡 克彦 川崎医科大学, 医学部, 教授 (30163801)
小笠原 康夫 川崎医科大学, 医学部, 助教授 (10152365)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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キーワード | レーザマニピュレーション / 培養細胞 / 力学刺激 / 細胞応答機構 |
研究概要 |
本研究では、レーザーマニピュレーション技術を応用したシステムを用いて力学刺激に対する培養細胞の応答機構を解析するため、以下のシステムを構築した。レーザー光源として出力2.5W,波長1064nmのYAGレーザーを使用し、これを生物用倒立型位相差顕微鏡に組み込んだ。ビームスプリッターを介してレーザーを2光路に分割し、2光路別々にピエゾアクチュエーターによってXY2方向に位置制御が可能とした。近赤外領域に感度を持つ白黒CCDカメラを顕微鏡に設置し、TVモニターによってレーザースポット位置の確認が可能となるようにした。ピエゾアクチュエーターによる駆動範囲はXY方向とも25μmとし、ピエゾドライバーによるコントロールによって0.1μmの精度での駆動が可能であった。ピエゾアクチュエーターとは別に、顕微鏡ステージ上にスキャニングステージを設置し、25μm以上の駆動が可能となるようにし、こちらも0.1μm程度の精度で駆動が可能であった。以上のように構築したシステムを用い、1μmの直径を持つガラスビーズを顕微鏡観察下にレーザービームによって捕捉し、操作が可能であることを確認した。上記システムを利用して内皮細胞に力学刺激負荷を行い、細胞の応答を解析した。細胞核近傍をレーザーで捕捉・移動を行った。その結果、刺激を負荷した内皮細胞で細胞内カルシウムイオン濃度上昇が観察され、さらにその周辺へのカルシウムイオンの伝搬も見られた。これにより、細胞小器官を捕捉、移動させることによって、生じる細胞内の微少なひずみに内皮細胞が応答してカルシウムイオン濃度の上昇が起こったものと推測される。 本装置を用いることによって、非接触で培養細胞に力学刺激を負荷することが可能となり、また、共焦点レーザースキャンユニットとの複合化によって分子・タンパクレベルの細胞応答を捉えることが可能となった。
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