研究課題/領域番号 |
11559001
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
長谷部 正 東北大学, 大学院・農学研究科, 教授 (10125635)
|
研究分担者 |
木谷 忍 東北大学, 大学院・農学研究科, 助教授 (20169866)
佐藤 衆介 東北大学, 大学院・農学研究科, 助教授 (80136796)
川本 隆史 東北大学, 大学院・文学研究科, 教授 (40137758)
斉藤 和佐 東北大学, 大学院・農学研究科, 助手 (90241554)
伊藤 房雄 東北大学, 大学院・農学研究科, 講師 (30221774)
|
キーワード | 農環境倫理 / 応用倫理学 / 社会的公正 / バイオ技術 / 循環型畜産 / ゲーミング・シミュレーション / 自然の権利 / 風景の評価 |
研究概要 |
本年度の研究の具体的内容は、つぎの通りである。 (1)P.B.Thompson著Agricultural Ethicsをもとに農業倫理の主要課題について整理した。また、昨年度実施したJ.E.Roemer著Theories of Distributive Justiceの粗訳について検討し、翻訳の完成稿を作成した。 (2)本年度は、3回の研究会を実施し、農業経済倫理学の応用問題を検討した。 ・平成12年9月1日に東北大学佐藤英明教授、同佐藤衆介助教授、同木谷助教授忍の報告による研究会を開催し、環境倫理とバイテク、動物の福祉および農村風景評価について検討した。 ・平成12年9月11日に頼平京都大学名誉教授、東京家政学院筑波女子大学丸山義皓教授、東京国際大学矢澤則彦助教授の報告による研究会を開催し、経済学及び農業経済学と農環境倫理との関係について討論した。 ・平成12年12月16日に農林水産省東北農業試験場佐藤正衛技官、東北大学大学院学生平松成実君、福間聡君の報告による研究会を開催し、動物成長ホルモン、契約主義及び食と身体に関わる倫理問題について討論した。 (3)農村風景に関する評価構造を明らかにするために、北海学園北見大学と韓国全北大学の学生を対象にパソコンによるアンケート調査を実施した。本調査は昨年度もおこない、両年の調査結果をもとに分析をおこなった。 (4)平成12年12月16日に近畿大学九州工学部新井潔教授、秋田大学井門正美助教授を招き、宮城県鳴瀬町の協力のもとに倫理を含めた地域計画における問題析出方法としてゲーミング・シミュレーションの有効性を検討するための実験をおこなった。 今年度の研究をとおして、(1)健康や安全性、(2)農業資源の枯渇、(3)農業による自然環境・生態系の破壊、(4)家族農業の保護、(5)工業的農業の在り方と畜産、(6)アグリビジネスの独占的支配等が、農業経済倫理学において取り組むべき具体的課題として整理された。
|