研究課題/領域番号 |
11559001
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
長谷部 正 東北大学, 大学院・農学研究科, 教授 (10125635)
|
研究分担者 |
羽柴 輝良 東北大学, 大学院・農学研究科, 教授 (20189476)
佐藤 英明 東北大学, 大学院・農学研究科, 教授 (80093243)
川本 隆史 東北大学, 大学院・文学研究科, 教授 (40137758)
佐藤 衆介 東北大学, 大学院・農学研究科, 助教授 (80136796)
木谷 忍 東北大学, 大学院・農学研究科, 助教授 (20169866)
|
キーワード | 応用倫理学 / 農の倫理 / 超学的アプローチ / バイオ技術 / 安全性 / 動物の福祉 / 社会的公正 / 意識調査 |
研究概要 |
本研究では、「農業を通した文化、農村社会、家族社会の活動は代表的な地域活動であり、これらを地球環境問題との関連で倫理学の枠組みを用いて研究しようとするのが農環境倫理学である」と定義した。この定義は、センのケイパビリティ(capability)という概念に依拠している。このように考えると、地域の豊かさは、その地域環境と地域社会のかかわりの中で、経済活動、コミュニティ活動、地域教育、家族生活などに表れる市民の生活の幅で測られるもので、経済財の消費による満足だけで測られるべきではないことになる。 本研究では、このように定義した農環境倫理学の視点に立脚して、それぞれの専門分野の立場からさまざまな農の問題を倫理的に説明するとともに、現実の生産・生活の場への応用可能性を検討することを目的とした。 研究成果は、下記の通りである。 第I部「環境倫理・農業倫理・食の倫理」では、農業経済倫理学の土台と骨組みに関わる問題の整理を試みた。 第II部「倫理を巡る地域の社会的行為」では、農民や農村リーダーの行為の内面的動機、そしてその行動を律した規範、倫理について明らかにした。 第III部「農業技術の倫理・動物の福祉」では、バイオテクノロジーの農業への応用におけるリスク・不確実性の問題や集約的畜産は、「家畜福祉倫理」の問題に焦点をあて、近年の農業技術進歩の動向から生じた倫理的諸問題を検討した。 第IV部「地域づくりを題材にした環境教育の実践-ロールプレイングゲームを用いた山形県金山町の事例-」は、本研究の特色の一つである超学的アプローチ、すなわち研究と実践、双方向のフィードバックの過程を記述し、分析を加えたものである。実験の結果以下のことが明らかにされた。地域環境問題に関する学習への支援効果は確認された。したがって、「地域とは何か」という合意形成の重要な前提部分に関しては、本章で用いたRPGは有意義である。
|