研究課題/領域番号 |
11559003
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
渡辺 明 東北大学, 多元物質科学研究所, 助教授 (40182901)
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研究分担者 |
北條 房郎 日立製作所日立研究所, 材料第一研究部, 主任研究員・(研究職)
三輪 崇夫 日立製作所日立研究所, 材料第一研究部, 主任研究員・(研究職)
藤塚 守 東北大学, 多元物質科学研究所, 助手 (40282040)
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キーワード | 有機シリコンナノクラスター / 前駆体 / 塗布型シリコン半導体 / レーザーアニーリング / ラマンスペクトル |
研究概要 |
現在、シリコン系半導体薄膜形成においては、プラズマCVD法に代表される真空下でのガスの気相反応を用いた手法が主流であるが、近年、液晶駆動用半導体素子の大面積化や太陽電池におけるプロセスコスト低減の要求から、新規なプロセスの探索が求められている。本研究では、ナノメーターサイズの3次元状シリコン骨格が有機置換基で修飾された構造を有するシリコンポリマーの一種である有機シリコンナノクラスター前駆体とし、塗布型シリコン系半導体薄膜形成の新規プロセスを発展させるを目的とする。本年度は以下に示すような検討を行った。 (1)エキシマーレーザーアニーリングによる微結晶シリコン形成の最適化を目的として、微結晶形成に及ぼすレーザーアニーリング条件の検討を詳細に行った。まず、前駆体薄膜の予備焼成温度に関する検討では、焼成温度の上昇に伴い結晶化に要するレーザー照射エネルギーの増加が観測された。これは、予備加熱によって形成されるネットワーク構造の増加が結晶化を妨げるものと解釈された。 (2)レーザーアニーリング法としては、同一エネルギーでの一段照射法に加えて、照射エネルギーを変えながら行う多段照射法を検討した。一段照射においては、レーザー照射エネルギー密度の増加に伴い大きなSi結晶グレインの形成が起こるものの、膜の不均一性の増加が観測された。この問題は、多段照射レーザーアニーリング法の適用によって改善された。ただし、照射条件によっては、数umのSiグレインが10nm前後のナノ結晶シリコンの集合体であるような構造が形成されることがSEM観察から示された。 (3)塗布型シリコン系半導体薄膜との組み合わせによる物性向上を目的として、塗布型ゲルマニウム薄膜についての検討を行い、その薄膜を用いて作成したFET素子の増幅特性を観測した。
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