研究課題/領域番号 |
11559007
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
郷 通子 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 教授 (70037290)
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研究分担者 |
籐 博幸 生物分子工学研究所, 情報解析部門, 主任研究員
由良 敬 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助手 (50252226)
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キーワード | モジュール / イントロン / 3Dキーノート / リン酸基結合 / らん藻ゲノム / 形質転換 / キシラナーゼ / モジュールシャッフリング |
研究概要 |
申請者らが開発したモジュール自動同定法プログラムにより、立体構造が解明されていてProtein Data Bankに原子座標が登録されているタンパク質のすべてをモジュールに分解した。立体構造に基づいて、モジュールを分類するためには、定量的な方法を開発することが必須である。さらに同じ構造のグループに分類されたモジュールを、基質や金属イオン、リガンドなどとの結合の様式によって分類した。この分類に基づいて、モジュールがもつ構造と機能をアミノ酸配列のパターンに投影できるという、新しい概念を提唱できた。アミノ酸配列パターンを3Dキーノートと命名した。モチーフとして知られている保存アミノ酸配列とは異なり、アミノ酸残基間の相互作用が反映されている。3Dキーノートを抽出し、ゲノム機能の予測を行った。いかに今年度の主な成果を述べる。(1)立体構造が有意に類似しているリン酸基結合HTHモジュール(pbHTHモジュール)が数種の異なるDNA結合・修復酵素に存在しており、しかも類似のDNA結合様式をもっていることから、これらのモジュールの3Dキーノートを明らかにした。 (2)pbHTHモジュールの3Dキーノートをらん藻ゲノムで検索したところ、機能が判明していない遺伝子産物であるORF slr0197(553残基)のC末端付近にpbHTHモジュール候補が2ヵ所存在する事を見出した。N末端側に膜貫通部位、中央にHKDモチーフを2つ持つことから、本ORFがらん藻の形質転換における外来DNA取り込みの初期段階を担う分子であることが予測された。(3)ファミリー10に属するキシラナーゼの触媒ドメインは22個のモジュールからできていることがわかった。機能部位がモジュールに局在しており、モジュールの機能的な意味が示された。
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