研究概要 |
本研究の目的はモジュールに基づいてプロテオームの機能を予測する技術を研究開発することであった。モジュールは空間情報であるため、進化の過程でアミノ酸配列よりも保存されることから、モジュールを使えばモチーフを使うよりも高感度に機能予測ができる。モジュールの知識情報を見通しよく整理して分類することにより、ゲノム情報からタンパク質機能を予測する方法の確立と実用化を目的とした。立体構造が解析されたタンパク質をすべてモジュールに分解して、それを分類することにより、得られたアミノ酸相互作用情報により、機能未知のタンパク質の機能予測を試みた。最初の2年間にモジュールの知識を体系化し、特にDNA、RNAとの相互作用に関わるモジュール知識を中心におき、プロテオームの機能予測の基盤技術を形成した。後半の2年間において、機能別にモジュールとアミノ酸配列パターンの対応づけを確立して実際にゲノムの機能予測法を開発した。公開されているすべてのゲノム情報に対して、機能未知の遺伝子の機能予測(低分子などの結合の予測)を現在までに終了している。特に、ヒトゲノムの機能未知の遺伝子にも適用しアノテーションに寄与することができた。具体的な成果を大きく分けると、(1)予測法の開発とデータベースの構築と(2)予測結果の実験による検証の2つに分けられる。成果は原著論文とデータベース(URL : http://daisy.nagahama-i-bio.ac.jp/golab/hetpdbnavi.html),(URL : http://daisy.nagahama-i-bio.ac.jp/famsbase/index.html),(URL : http://daisy.nagahama-i-bio.ac.jp/keynote/AK074299.html)として公開した。今後、新たなプロジェクトを進めて各種ゲノムについて予測された結合機能の実証研究に進めていきたい。
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