研究課題/領域番号 |
11559008
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研究機関 | 名古屋工業大学 |
研究代表者 |
津田 孝雄 名古屋工業大学, 工学部, 教授 (50023156)
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研究分担者 |
石井 晃 名古屋大学, 医学部, 助教授 (30252175)
鈴木 修 浜松医科大学, 法医学講座, 教授 (70093044)
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キーワード | 汗 / 薬 / ドラッグモニタリング / 非侵襲 / テオフェリン / 代謝物質 / 簡易サンプリング / ベッドサイドモニタリング |
研究概要 |
汗はヒトの代謝経路の一つであり、直接的な生体情報を含んでいる。汗中の成分分析によるヒト体内情報の収得は、非侵襲・非観血で行うことが可能であるため、臨床的に有効が極めて高いと考えられる。本研究は特別な生理的負荷なく日常的に採集できる条件下での汗のサンプリングを行い、この汗中の成分によるドラッグモニタリングを目指している。 1.薬の摂取によりその薬物がヒト汗中へ代謝されることを確定した。咳止め薬、酔い止め薬の成分であるテオフェリン、コデイン、カフェインを汗中に見いだし、これら薬物の濃度経時変化を調べ、0.5〜5時間にわたり汗中へ代謝することがわかった。カフェインは同時にその代謝物(テオフェリン、テオブロミン、1,7-ジメチルキサンチン)も検知できた。テオフェリンは喘息患者に使用され、コントロールの必要な薬であるので、ベッドサイドモニタリングとして適用できよう。 2.ヒト汗の非常に簡便なサンプリング法を確立した。サンプリング時間は0.5分から5分間を用いた。この短いサンプリング時感により化学物質の体内での動的把握が可能になった。 3.汗中に拍出される揮発性成分の迅速なトラップ法を確立し、この際の制御方法(捕集、温度など)に独自の工夫を行い、国有特許として出願した。 4.汗中への代謝成分として有機カルボン酸類(乳酸、3-ヒドロキシ酢酸、ピルビン酸、酢酸)、グルコースなどを確認し、これらの摂取に伴う汗中への代謝の確認ができた。 5.簡便なサンプリング方法により、スポーツ医学への本方法の適用をおこない、運動しながら30秒間のサンプリングを多数回行い運動中の乳酸の動態が把握できた。
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